タイとシンガポールがデジタル交渉の2025年内妥結で一致、貿易投資拡大を議論

(タイ、シンガポール、ASEAN)

バンコク発

2025年06月13日

タイ商務省は6月11日、第25回ASEAN経済共同体(AEC)閣僚会合(5月25日開催)の傍らで実施された、ピチャイ・ナリパッタパン商務相とシンガポールのガン・キムヨン副首相兼貿易産業相との会談内容を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

両氏は、ASEANのデジタル経済枠組み協定(DEFA)の交渉を2025年内に妥結させる方針の下、高水準のデジタルルールの実現を目指すことを確認した。タイはDEFA交渉の議長国であり、ピチャイ氏は今回、AEC議長であるマレーシアのザフルル・アジズ投資貿易産業相に対して、DEFAの交渉課題に関する合意形成を加速させるべく、ASEAN特別経済大臣会合の近日開催を提案したという。

2国間関係では、ピチャイ氏から、ジャスミンライスや白米など、タイ産米の輸入拡大をシンガポールに要求した。また、放し飼い卵などの農産品に対するシンガポールでの評価手続きの迅速化や新たな農産品の市場開放(調理済み豚の血や冷凍の味付け鶏肉など)を促した。投資分野では、ガン氏から、クリーンエネルギーやエレクトロニクス、金融サービス、デジタル産業におけるタイへの投資に関心を示すとともに、タイの投資環境改善の取り組みを評価した。

タイ商務省によると、シンガポールとの貿易額はタイにとって世界で10番目、ASEANで4番目に大きい。2024年の2国間の貿易額は約177億6,000万ドル(前年比3.32%減)で、タイからの輸出は約103億6,000万ドル(1.21%増)、シンガポールからの輸入は約74億ドル(9.02%減)。主な輸出製品は宝石・貴金属や精製油、コンピュータ・同部品、集積回路などで、主な輸入製品はコンピュータ・同部品や宝石・貴金属、化学品、植物・同製品、集積回路などで構成される。

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、シンガポール、ASEAN)

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