カザフスタンのアクタウ港でコンテナターミナル稼働、中国企業と共同開発

(カザフスタン、中国)

調査部欧州課

2025年06月18日

カザフスタン鉄道(KTZ)は6月9日、カスピ海に面するアクタウ港で建設を進めていたコンテナターミナルが稼働したと発表した。同社によると、カスピ海域で同ターミナルが最大規模の施設になるという。

ターミナル建設はKTZ子会社のKTZエクスプレス、アクタウ港と中国の連雲港の各運営会社が共同事業として実施した。建設を請け負ったのは中国交通建設(CCCC)で、2024年11月に着工し、当初の予定より早く完工した。稼働したのは第1期工事分で、敷地面積は9.1ヘクタール。アクタウ港のあるマンギスタウ州政府によると、年間のコンテナ処理能力は6万6,000TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)になる。

KTZの親会社で国有投資ファンドの「サムルク・カズィナ」のヌルラン・ジャクポフ総裁は9日の稼働式典で「KTZと連雲港の10年間のパートナーシップにおいて、連雲港のカザフスタン・中国ターミナル、ドライポート『ホルゴス・ゲートウエー』、そして今回、アクタウでコンテナハブが開設された。この事業はカザフスタンの輸送と物流の発展の重要な一歩だ」と評価した。

アクタウ港はカスピ海横断国際輸送路上に位置し、対岸にあるアゼルバイジャンのバクー港を結ぶ重要な拠点となる。カザフスタン政府はアクタウ港の輸送能力拡大に取り組んでおり、同港のしゅんせつ工事を近く実施する(運輸省発表5月9日)。ルクセンブルクに本拠を置く海洋建設大手ヤン・デ・ヌルが工事を請け負い、2025年第4四半期(10~12月)に完了する予定だ。オルジャス・ベクテノフ首相は6月13日に行われた運輸分野の投資プロジェクトに関する会議で、しゅんせつ工事が7月に開始されると明らかにした。

このほか、KTZは10日、内陸の経済都市アルマトイにコンテナターミナル「ジェティスー」を開設した。同社子会社と中国の西安自由貿易港建設営運による事業で、敷地面積は9.8ヘクタール。1,101TEUに相当するコンテナを保管可能で、年間コンテナ処理能力は11万5,000TEUに上るという。

(浅元薫哉)

(カザフスタン、中国)

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