金の国際価格上昇で、正規鉱業と違法鉱業の賃金格差が縮小傾向
(ペルー)
リマ発
2025年06月25日
ペルー経済発展の調査と支援を行う非営利団体ビデンサ・インスティテュート(Videnza Instituto)は6月20日、正規鉱業の従業員と違法鉱業の労働者の賃金格差が縮小していることを明らかにした。金の国際価格の上昇が要因という。
2014年の正規の従業員の平均賃金(月額)は3,177ソル、違法労働者は1,414ソルだったが、2024年は正規で3,956ソル、違法では2,227ソルで、格差が縮小している。2025年末には違法労働者の賃金が3,148ソルまで上昇し、縮小傾向が続くとみている。また、違法鉱業は鉱物資源の採掘から密輸まで国際化・分業化が進んでいるが、ペルー国内で違法鉱業に従事するペルー人の数は30万~50万人と試算されている。
地元経済紙「ヘスティオン」(6月20日付)は、正規鉱業と違法鉱業で賃金格差が縮小しても、上下水道などの公共サービスや、インターネット整備など、生活の基礎的条件に格差があると指摘した。また、違法鉱山の現場付近では治安の悪化が問題視されており、社会的課題の解決にはならないとしている。
(石田達也)
(ペルー)
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