新たな燃料税導入の見通し、ガソリン1リットル1セディ(約14円)課税

(ガーナ)

アクラ発

2025年06月11日

ガーナの現地報道によると、同国では6月16日から、ガソリンスタンドで購入するガソリンや軽油といった石油製品に対して、1リットル当たり1ガーナ・セディ(約14円)が新たな燃料税として導入される見通しだ。同月3日にカシエル・アト・フォーソン財務相が提出した2025年エネルギー部門賦課金法案は同日に議会で承認されたという。施行は当初9日からの実施予定だったが、反発も大きかったため、16日に延期している。

フォーソン財務相は「エネルギー部門が現在、国にとって最大の経済的・財政的脅威となっている。増大する課題に対処しなければ、本格的な危機に陥る可能性がある。」と述べた。燃料供給事業者への多額の未払いなどによって、政府のエネルギー部門の負債総額は2025年3月時点で31億ドルに達しており、負債を全て返済するには最低でも37億ドルが必要とされている。加えて、2025年の年間の火力発電に必要な燃料総額は12億ドルとされており、安定した電力供給を確保するためにも、新たな財源を必要とした。この新たな燃料税により、年間57億セディの収入が期待されている。

大手ガソリンスタンドGoilでのガソリン販売価格は6月9日からの最新価格で1リットル当たり12.38ガーナ・セディとなっている。5月の物価上昇率は前年同月比で18.4%、燃料を含む「家賃、水道代、電気代、ガス代、その他燃料」のカテゴリーの上昇率では同21.6%となっており、生活コストが高まる中での増税に対して、石油販売会社や国民から非難が上がっている。

(中川翼)

(ガーナ)

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