南部アンドラ・プラデシュ州、労働時間を1日最大10時間に引き上げへ
(インド)
チェンナイ発
2025年06月12日
インド南部アンドラ・プラデシュ(AP)州政府は州労働法規を改定し、民間企業や工場の1日当たりの労働時間を最大9時間から10時間に引き上げることが6月4日、AP州内閣で承認された。州のコルス・パルタサラティ住宅相兼情報・広報相によると、この改正案は、より多くの投資や産業の誘致を目的に実施を目指すものという(「タイムズ・オブ・インディア」紙6月7日)。
また、同大臣は、AP州内閣が時間外労働や女性の深夜労働に関する規制も改定することを決定したと表明した。時間外労働については、四半期ごとの上限が75時間から144時間に引き上げられると説明した。女性労働者の深夜労働についても、書面による同意やその他の安全対策を講じた上で、認められるという(「ビジネス・スタンダード」紙2025年6月7日)。
なお、工場での労働基準は連邦法の1948年工場法(The Factories Act, 1948)に基づくが、労働時間などの一定の労働条件については、それぞれの州政府に制定権限が認められている。1948年工場法では、労働時間は原則1日最大9時間、かつ、1週間48時間までと定めており、時間外労働の上限についても、四半期ごとに50時間としている。また、同法では、女性の深夜労働は認めていない。併せて、オフィスや店舗などでの労働条件については、州法の店舗施設法(Shops and Establishment Act)によって、下限を定めており、同法は各州によって規制が異なる。
今回のAP州政府による労働条件の改定が実施されれば、同州の経済活動の活発化や投資増大が期待される。
(白川佳奈)
(インド)
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