広東省が日系企業向けのミッションイベントを実施、210社が参加
(中国)
広州発
2025年06月24日
中国の広東省政府および中国中信集団(CITIC)は6月12~14日、日系企業を対象としたミッションイベント「日系企業広東ビジネスツアー」を広東省広州市で共同開催した。今回のイベントでは自動車、バイオ医薬・健康、低空経済・人工知能(AI)、商品貿易サービスの4つの産業別商談会と、基調講演が行われたほか、省内の5都市に向けた投資環境視察ツアーも行われた。中国進出日系企業を中心に210社が参加した。
12日に行われた基調講演には、中国側の代表として広東省共産党委員会の黄坤明書記が出席。また、同省の王偉中省長が主催者あいさつにおいて、「広東省への投資は未来への投資につながる。日系企業が広東省を重要な投資先とすることを大いに歓迎する」と表明した。日本側の代表として、みずほフィナンシャルグループの武英克副社長や経済同友会の新浪剛史代表幹事らがあいさつや講演を行った。新浪代表幹事は、ビデオメッセージを寄せ、現地の状況を自らの目で確認し、企業の成長につながるヒントが得られるよう積極的に情報交換する重要性を強調した。
13日に行われた投資環境視察ツアーは、広州市、仏山市、恵州市、東莞市、深セン市の5都市の視察先に分かれて実施した。広州市への視察では、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(Xpeng)や、ドローンおよび電動垂直離着陸機(eVTOL)メーカーの億航智能設備(イーハン)を訪れたほか、シンガポールと中国の両国によって共同開発が進められているスマートシティ「中新広州知識城」および同知識城内のローソンの店舗ならびに医療施設、医薬品メーカーを訪問した。仏山市では、家電大手の美的グループ、ホンダ自動車の部品製造工場、日本の中小企業向け工業パークとして同市南海区政府が設立した南海日本中小企業パーク、東レの水処理膜製品の現地製造会社などを見学。恵州市では、グレーターベイエリアの重要装備製造産業基地である博羅区スマート装備産業パーク、ダイキン工業、家電大手のTCL科技グループ傘下の華星光電顕示、国家級ハイテク技術産業開発区の1つである仲恺ハイテク産業パークを視察した。東莞市では、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の団泊洼スマート製造パーク、VIVOの展示センターなどを訪問した。また、14日の汕尾市の視察では、深セン市政府が出資する深汕中心病院、深セン市・汕尾市特別合作区に位置する自動車大手BYDの自動車工業パーク、2024年12月30日に完成した汕湾一号国際スマート産業パークなどを視察した。
同イベントを通して、総額1,166億2,200万元(約2兆3,324億円、1元=約20円)、計68件のプロジェクトが調印された。華南地域だけでなく、上海市、香港、広西チワン族自治区に進出する日系企業も視察ツアーに参加し、本ミッションを通じて中国企業とも積極的にコミュニケーションを図っていた。
「日系企業広東ビジネスツアー」基調講演の様子(ジェトロ撮影)
広州視察ツアーでの億航智能設備のドローンのデモンストレーション(ジェトロ撮影)
(陳昕)
(中国)
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