イスラエル世論、停戦をおおむね支持、戦争被害は50億シェケル超
(イスラエル、イラン、米国)
テルアビブ発
2025年06月27日
イスラエルとイランの12日間にわたる軍事衝突が停戦(2025年6月24日記事参照)に至ったことに、イスラエルの国内世論はおおむね肯定的な反応を示している。イスラエルのテレビ局「チャンネル12」が6月24日に実施した世論調査によると、停戦に賛成は49%に達し、反対は39%、判断保留は12%だった。また、イスラエルの勝利と答えたのは63%で、勝者はいないが26%、イランを勝者とする声は3%、わからないは8%だった。指導者の評価(10点満点)では、諜報(ちょうほう)機関モサドのデビッド・バルネア長官が7.4点で最も高く、イスラエル国防軍(IDF)のエヤル・ザミール参謀総長が7.2点、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は5.6点、イスラエル・カッツ国防相は5.0点だった。
IDF報道官のエフィ・デフリン准将は6月25日の記者会見で、軍事作戦の「すべての目標を達成した」と述べた。作戦は数年にわたり計画され、ここ数カ月でイラン政権の核兵器・ミサイル計画に大きな進展が見られた中で、参謀総長の指揮の下、計画と能力の強化を加速・推進したと述べた。
米軍によるフォルドウ核施設への攻撃(2025年6月23日記事参照)について、イスラエル首相府は6月25日、「同施設の重要なインフラを破壊し、濃縮施設を機能不能にし、イランの核兵器開発能力を数年間遅らせたものと評価している」とするイスラエル原子力委員会(IAEC)の分析結果を公表した。
一方、イスラエルの税務当局によると、イランとの戦争によるイスラエルの被害額は50億シェケル(約2,130億円、1シェケル=約42.6円)を超えると試算している。補償申請はすでに4万件以上に達しており、最終的には5万件を超える可能性もあるという(6月24日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙)。
イスラエル・イラン情勢に関する動向、各国の反応については、ジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、イラン、米国)
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