7月1日から電気料金を一律2.45%引き上げ
(ガーナ)
アクラ発
2025年06月27日
ガーナ公益事業規制委員会(PURC)は6月25日、「2025年第3四半期 電気・ガス・水道料金表」において、7月1日から電気料金を一律2.45%値上げすることを発表した。ガーナの電気料金は、ライフライン〔0〜30キロワット時(kWh)〕、一般家庭(0~300kWhおよび301kWh以上)、高電圧産業(SLT)の3つのカテゴリーに分かれているが、すべてで2.45%の値上げとなった。この料金改定は、2025年第3四半期(7月1日〜9月30日)に適用される。なお、水道料金は据え置きとなっている。
料金引き上げの主要な要因として、インフレ率の上昇が挙げられる。委員会は2025年第3四半期の平均予測インフレ率を20.67%とし、電力供給会社の運営コストが増加するとした。さらに、火力発電で使用される天然ガスの燃料価格が 7.6289ドル/MMBtu(100万英熱量単位、注)から7.7134ドル/MMBtuに上昇し、全発電の71.2%を占める火力発電のコストが高騰していると説明した。加えて、電気公社が抱える累積債務(4億8,800万ガーナ・セディ、約68億3,200万円、1ガーナ・セディ=約14円)の返済や、供給の安定化に向けた財源が必要とした。
現地通貨セディの為替レートは、輸出増加による外貨獲得などで急激に上昇しており、天然ガスなどの輸入コストの減少につながっているため、値下げが期待されていた。これについて委員会は、他の経済的要因の影響により値上げとなったが、セディ高は輸入コストの抑制に貢献しており、料金引き上げ幅をある程度緩和する要因となったと説明した。
この料金改定は、家庭や企業の電気代負担を増加させるとして不満の声も上がっているが、長期的には電力供給の安定化とサービス品質の向上につながると期待されている。
(注)British thermal unit。1Btuは標準気圧下において質量1ポンドの水を華氏60.5度から61.5度にあげるのに必要な熱量。
(中川翼)
(ガーナ)
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