清陶能源、四川省成都市に固体電池生産拠点を建設
(中国)
成都発
2025年06月10日
中国証券専門メディア「証券時報」の5月28日の報道によると、江蘇省昆山市に本社を置く、固体電池の研究開発や生産などを手掛ける「清陶(昆山)能源発展」(以下、清陶能源)は、四川省成都市ヒ都区の環境当局から承認を受け、同区で生産工場「清陶固体電池西南産業基地」を稼働した。同工場の総敷地面積は約446ムー(約29万7,482平方メートル、1ムー=約667平方メートル)で、バッテリーセルやモジュールなどの生産ラインのほか、電解液倉庫も今後整備し、固体電池の年間生産量は15ギガワット時に達する見込みだ。
清陶能源は2016年に設立された、中国の有力な固体電池メーカーで、全固体電池、半固体電池、準固体電池およびセパレートなどの研究開発や生産に注力している。同社は上海汽車と提携し、共同で車載電池の研究開発を行っている。また、両社は共同出資で上海上汽清陶能源科技を設立し、固体電池の量産を推進するとしている。四川省については、同社が2023年2月に成都市ヒ都区と投資契約を締結し、同区に100億元(約2,000億円、1元=約20円)を投じて固体電池の生産拠点を建設することが明らかになっていた。
四川省では近年、リチウムイオン電池(LIB)用部材に関する投資が相次いでいる。現地メディアの「人民資訊」の2021年8月3日の報道によると、同年8月には、リチウムイオン電池の負極材を生産する上海杉杉リ電材料科技が、約80億元を投じて四川省眉山市に負極材の生産拠点を建設した。同社の最大規模のプロジェクトの1つで、生産能力は年間20万トンという。また、現地メディアの「四川在線」の報道によると、米国リチウム最大手アルベマールが、2021年に約9億ドルを投じてアジア太平洋地域での同社最大プロジェクトとして四川省眉山市の水酸化リチウム製造工場建設を開始、同工場は2024年4月に稼働している。
(王植一)
(中国)
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