山東省青島市、二次元文化関連の「グッズ経済」に注力

(中国)

青島発

2025年06月05日

中国の山東省青島市で 513日、マンガ・アニメ展示会「青島アニメ節·DC34幻夢アニメ・ゲーム嘉年華」が開催された。同イベントは、青島アニメクリエーティブ産業協会(青島動漫創意産業協会)と青島市の地元企業である青島幻夢文化伝播が主催するもので、山東省で最大規模かつ人気と影響力を誇るアニメ専門イベントとして13年連続開催されている。主催者によると、1日あたり約2万人が来場し、来場者の89%がZ世代(注1)の若年層で占められている。

会場内の展示イベントでは、漫画、アニメ、ゲームを取り扱う企業など約20社が出展した。中国で人気のオンライン漫画プラットフォーム「快看漫画」(注2)が自社のIP(知的財産)コンテンツを活用したミニゲームを制作し、体験型ブースを設置した。日系企業では、KADOKAWAのグループ企業である天聞角川が出展し、人気アニメ「ブルーロック」「ダンジョン飯」「SPY×FAMILY」などのキャラクターグッズを中心とした物販ブースを設置した。また、「摩谷屋」「漫庫」「青島書城集谷社」などのグッズショップも出展し、多くの若者が訪れていた。

写真 「青島アニメ節·DC34幻夢梦アニメ・ゲーム嘉年華」会場の様子(ジェトロ撮影)

「青島アニメ節·DC34幻夢梦アニメ・ゲーム嘉年華」会場の様子(ジェトロ撮影)

中国の若者の間では近年、「グッズ経済」という新たな消費現象が急成長している。グッズは、英語の「Goods」を音訳して「谷子(グーズ)」と呼ばれており、主にマンガやアニメ、ゲームなどの「二次元」(注3)関連の商品を指す。

5月9日には、青島報業メディアグループが主催し、青島市アニメクリエーティブ産業協会と青島新聞網が共催する、青島市初の「グッズ経済」フォーラムが開催された。同フォーラムでは、政策解説、セミナー、報告発表が行われた。地元メディアでは、同フォーラムについて「青島市の二次元文化関連の『グッズ経済』に新たな活力を注入し、文化消費の分野において青島市が重要な一歩を踏み出したことを示している」との評価がみられた(「青島新聞網5月9日」)。

(注1)主に1995年から2009年生まれのインターネットの影響を深く受ける若者を指す。デジタルネイティブ世代とも呼ばれ、オンラインコンテンツやソーシャルメディアに親しみ、二次元文化に対する関心が高い。

(注2)中国最大級のオンラインコミックプラットフォームの1つ。モバイル端末での漫画閲覧に特化しており、若年層を中心に高い人気を誇る。オリジナルコンテンツの制作にも力を入れている。

(注3)中国では、アニメ、マンガ、ゲームなどの2次元的な表現で描かれるコンテンツやその文化圏を指す用語として広く使われている。ACG(Anime、Comic、Game)文化に相当し、キャラクターグッズやコスプレなどの関連商品・サービスも含む概念だ。

(張雪雯)

(中国)

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