香港と中国本土間の越境即時決済サービスが開始
(香港、中国)
香港発
2025年06月26日
香港金融管理局(HKMA)と中国人民銀行(中央銀行)は6月20日、香港と中国本土間の越境即時決済システム「ペイメント・コネクト(跨境支付通)」を6月22日から開始すると共同発表した。香港の即時決済システム「ファスター・ペイメント・システム(FPS)」と中国本土のオンライン決済システム「インターネット・バンキング・ペイメント・システム(IBPS)」を相互接続する。ペイメント・コネクトの活用により、参加金融機関(注)の利用者は、銀行口座間で香港ドルと人民元の即時送金が可能となる。
香港身分証(香港ID)保有者は、金融機関ごとに1日当たり最大1万香港ドル(約18万円、1香港ドル=約18円)、年間最大20万香港ドルまでを香港から中国本土へ24時間送金できる。一方、中国本土身分証(居民身分証)保有者は、年間最大5万米ドル相当までを中国本土から香港へ午前7時から午後11時の間に送金可能だ。その他の利用条件は、在香港の銀行に銀行間清算・決済サービスを提供し、公的機関と民間機関の債券の中央清算・決済システムを運営する香港銀行間決済社のウェブサイトを参照。
なお、HKMAの国際業務担当ヘッドの袁兆勇(レイモンド・ユエン)氏は今回のサービス開始の目的について、「消費を目的とした取引決済が対象で、株式取引のための越境送金には対応していない」と述べた(「信報」6月21日・22日付)。
(注)香港側は、中国銀行(香港)、東亜銀行、中国建設銀行(アジア)、恒生銀行、香港上海銀行、中国工商銀行(アジア)。中国側は、中国農業銀行、中国銀行、交通銀行、中国建設銀行、招商銀行、中国工商銀行。
〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕
(香港、中国)
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