習国家主席、トランプ米大統領と電話会談

(中国、米国)

北京発

2025年06月06日

中国外交部の発表によると、習近平国家主席は6月5日夜、米国のドナルド・トランプ大統領と電話会談を実施した。両者の電話会談はトランプ大統領就任後初となる。発表によると、両国首脳は、双方のチームはジュネーブ合意(2025年5月13日記事参照)を引き続き履行し、近く新たな協議の場を設けることで合意したとしている。また、習国家主席はトランプ大統領の再度の中国訪問を歓迎するとした。

習国家主席は、米中関係という大きな船の航路を正すには、われわれがしっかりとかじを握り、方向性を定め、各種の干渉や妨害を排除することが極めて重要と指摘した。また、米国側の提案により、両国の経済貿易部門のトップがスイス・ジュネーブで会談し、対話と協議を通じて、経済貿易に係る問題を解決する重要な一歩を踏み出したことは、対話と協力が唯一の正しい選択肢であることを証明したと評価した。その上で、双方は既に構築済みの経済貿易協議メカニズムを活用し、対等な姿勢で双方の懸念事項を尊重しつつ、ウィンウィンの結果を追求すべきと述べた。また、この点に中国は誠実であると同時に原則的でもあり、合意に達した事項について双方は順守すべきとも主張した。ジュネーブ会談後、中国は厳格に合意を実行しており、米国は実態に即して進展を捉え、中国に対して実施しているネガティブな措置を撤回すべきと主張した。

習国家主席は、米中双方は外交、経済貿易、軍事、法執行の各分野で交流を深めることで、共通認識を増やし、誤解を減らし、協力関係を強化すべきとも指摘した。さらに、米国が台湾に関する問題を慎重に処理し、ごく少数の「台湾独立」分裂主義者が米中両国を衝突や対抗の危険な状態に引きずり込むことを避けるよう強く求めた。

中国外交部の発表では、トランプ大統領は習国家主席に敬意を表した上で、米中関係の重要性を表明したとしている。また、米国は中国経済が力強い成長を維持していることを歓迎するとともに、米国は引き続き「一つの中国」政策を堅持すると述べたとしている。また、米国は中国と協力し、ジュネーブ合意の履行に努めていくとした上で、中国人学生による米国留学を歓迎するとも述べたとしている。

(亀山達也)

(中国、米国)

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