NRS、アリゾナ州カサグランデ市に化学品などの倉庫施設を開業

(米国)

ロサンゼルス発

2025年06月06日

化学品などを扱う物流会社のNRS(本社:東京都千代田区)子会社のNRSロジオスアメリカは528日、アリゾナ州中南部のカサグランデ市に化学品を扱う、同社では米国初の倉庫施設を開業した。同州で急成長する半導体やバッテリー原材料を中心に、半導体やバッテリー製造に不可欠な化学品の取り扱いに対応しており、一般品のみならず、危険物倉庫や高圧ガス貯蔵所も備えた物流拠点となる。

開業式には、カサグランデ市のリサ・フィッツギボンズ市長やアリゾナ州商業公社(Arizona Commerce AuthorityACA)、同州の州都フェニックスの都市圏経済協議会Greater Phoenix Economic CouncilGPEC)に加えて、在ロサンゼルス日本総領事館が参加した。フィッツギボンズ市長は「NRSによる投資は、市がビジネスに対して開放的かつイノベーションに寛容であることを示す強いメッセージを持つ」と述べ、今回の投資は地域経済の活性化に寄与すると期待を寄せた。また、GPECは「アジアからの直行便が開始するなど、交通条件が良い立地であることや、州全体に半導体エコシステムが広がっていることも、アリゾナ州に投資をする上での魅力だ」と、近年の同州での投資の勢いについて述べた。

写真 NRS関係者と地元政府関係者によるリボンカットの風景(ジェトロ撮影)

NRS関係者と地元政府関係者によるリボンカットの風景(ジェトロ撮影)

NRSは、2021年から米国での物流拠点新設の検討を開始し、2022年にはジェトロ主催の投資環境ミッション(2022年11月4日記事参照)に参加するなど、現地でのネットワークをつくりながら投資計画をより具体的なものへと進めてきた。約16万平方メートルの敷地内の倉庫新設にあたり、一般化学品、可燃性化学品、危険物、高圧ガスなど米国では厳しいとされる厳格な危険物分類基準を満たす。さらに、同拠点には鉄道輸送用の引き込み線を敷設する予定で、輸送効率の向上と環境負荷の低減をも満たす施設となる。

アリゾナ州では半導体を含め、さまざまな分野で産業が成長している中で物流需要が旺盛になっており、同州で重要な役割を示せれば大きなビジネスチャンスになるとの考えが投資の背景となっている。NRSロジオスアメリカの佐藤祐一社長は「当社のビジョンはこのコミュニィティーに対しての信用もあるが、安全と信頼のおけるサービスの提供。すべての化学品輸送でアリゾナの未来を世界へお届けする助けができる」と述べた。

(サチエ・ヴァメーレン) 

(米国)

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