蒸留酒ピスコ、徐々に日本で知名度を獲得

(チリ、日本)

調査部米州課

2025年06月27日

東京にもオフィスを構えるチリ貿易振興局(ProChile:プロチリ)は6月17日、チリ北部アタカマ州内の企業5社が生産した計2,200本の「ピスコ」が日本へ初めて輸出されたとウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます上で伝えた。ピスコとは、南米のチリやペルーで生産されるブドウを原料とする蒸留酒だ。アルコール度数が40度前後と高いことから、ストレート以外の飲み方としては、ライムやレモンの果汁などを加えた「ピスコサワー」というカクテルが有名だ。現地業界団体によると、近年のチリにおけるピスコの年間生産量は、約3,600万リットルとされており、国内だけでなく、米国を中心とする諸外国へも輸出している。

プロチリは、1月にもアタカマ州の異なる企業2社が生産したピスコとジンの日本への初輸出について紹介外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしているが、今回は当時よりも小規模な事業者による輸出事例となっている。また、プロチリによると、チリ産のピスコは既に東京以外に、京都や仙台などのバーや小売店でも取り扱われている。

プロチリとアタカマ州政府は数年前から、日本市場でのピスコのプロモーションに取り組んできた。両国間を往来するミッションを企画・運営し、インポーターとの商談機会の提供や、日本側の関係者を招いて同州内の酒造現場の見学などを行った。チリ産のピスコは、2019年から開催されているアジア最大級の出品数を誇る「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」にも出展されており(注)、これまでに複数の銘柄が金賞を含む賞を獲得している。

2024年11月にはプロチリの主催で、「チリピスコカクテルコンペティション」が東京で初めて開催された。同イベントでは、日本全国の著名なバーテンダーがチリ産のピスコを使ったカクテルを製作し、その過程や味について審査が行われた。プロチリ日本オフィスのインスタグラムアカウントによると、2025年5月19日にも駐日チリ大使公邸でピスコ関連のイベントが開催され、コンペティション参加者がカクテルを振る舞った。

(注)ピスコは、洋酒部門のブランデーのカテゴリーに出品されている。

(佐藤竣平)

(チリ、日本)

ビジネス短信 8adfc4f480b7b49e