タイ・チリFTA、原産地規則をHS2022にアップデートへ

(タイ、チリ)

バンコク発

2025年06月09日

タイ政府は6月4日、タイ・チリ自由貿易協定(TCFTA)に基づく品目別原産地規則(PSR)について、関税分類(HS)をHS2012年版からHS2022年版へ移行する商務省の改正案を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

PSRは、FTAを活用する輸出入に際して、FTA域内(TCFTAではタイとチリ)以外の国・地域の部品や原材料(非原産材料)を用いる場合に満たすべき条件を定めたもの。たとえば、非原産材料が域内で完成品となる際、一定のHSコードの変更(関税分類変更基準)や金額・重量ベースで一定の価値を加える(付加価値基準)といった条件をクリアする必要がある。

PSRはHS6桁レベルで規定され、今回TCFTAでは、HS2012版からHS2022版への移行を通じて、PSRの対象品目数が5,205品目から5,612品目に増加した。これら品目は、次のケースに分類される。

  • HSコード・PSRともに変更なし:4,992(動物、野菜・果物、缶詰、紙、鉄鋼製品、化学品、エアコン・同部品など)
  • HSコード・PSRともに新設:619(チーク材、カーペット・繊維製床材、羊毛などのオーバーコート、カーボンファイバーなど)
  • HSコードは変更なし、PSRのみ変更:1(耐火セメントのHSコード内にドロマイトラミングミックスを追加)

タイ政府によると、商務大臣などが交換公文に署名し、国内関連規則が改正されれば、2025年上半期にHS2022年版に基づくTCFTAの運用が実施される見通しだ。改正に伴い、TCFTAの原産地証明書(Form TC)の電子化(PDF発給)も実現する見込み。

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、チリ)

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