サンクトペテルブルク国際経済フォーラムでロシアと米仏との対話が実施
(ロシア、バーレーン、米国、フランス、インドネシア)
調査部欧州課
2025年06月24日
ロシアのサンクトペテルブルクで6月18~21日に第28回サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)が開催された。2025年のゲストカントリーにはバーレーンが選ばれ、同国のハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王の息子のナセル・ビン・ハマド・アール・ハリーファ氏が代表団を率いた。
注目イベントの1つは、非公開形式で19日に開催された「米ロビジネス対話」。在ロシア米国商工会議所(アムチャム)のロバート・エイジー会頭とロシアの戦略イニシアチブ庁(ASI)のスベトラーナ・チュプシェワ長官がモデレーターを務めた。本対話には、ロシアおよび国際企業の代表150人以上が参加し、宇宙、AI(人工知能)(共同データセンターを含む)、ベンチャー投資、北極圏開発、農業といった分野での協力が議論された。米国のAI分野の国際研究機関サイモス・テクノロジーズ(PSIMOS Technologies)のポール・オストリング会長は対話の中で、米国からロシアへの投資再開のための重要な要素として、状況の安定化のほか、制裁の解除、法の支配と司法における権利保護を含む公平かつ透明なビジネス環境の整備を挙げた。
フォーラムの期間中、米国との対話に加えて「仏ロビジネス対話」も20日に行われた。フランスのコンサルティング会社シファルのジル・レミ社長は、原子力エネルギーが仏ロ関係において優先的な協力分野であり、フランスの関係者は引き続きロシアとの接触を続けている、と語った。
20日の全体会合には、ウラジーミル・プーチン大統領のほか、インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領、バーレーン、中国、南アフリカ共和国の高官が出席した。バーレーンを除きBRICS加盟国が登壇した。プーチン大統領は、2030年までにビジネス環境ランキングで世界トップ20に入る目標を打ち出した。BRICS諸国にとっての模範となりたい考えだ。プーチン氏によると、BRICS諸国の相互貿易額はすでに1兆ドルを超えている。プラボウォ大統領は全体会合の中で、インドネシアのBRICSへの加盟承認が迅速に進んだことに対する感謝を表明し、「BRICS諸国は協力することで、世界の安定と繁栄に大きく貢献できると信じている」と述べた。
(欧州課)
(ロシア、バーレーン、米国、フランス、インドネシア)
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