米環境保護庁、予算教書概要に係る詳細発表
(米国)
ニューヨーク発
2025年06月04日
米国環境保護庁(EPA)は5月30日、トランプ政権が発表した2026会計年度(2025年10月~2026年9月)の予算教書概要で示された内容に沿って、同庁の予算案の詳細を発表
した。
同予算案全体では41億6,000万ドルと、2025年度と比較して54%の大幅削減となっている。特に大きな削減幅となったのが州・部族向けの各種補助金で、約36億ドル(2025年度予算は約44億ドル)が削減された。この中には、州などが下水道や飲料水確保に必要な施設の整備などを行うためのクリーンウォーター回転基金(SRF)プログラムや、汚染物質対策などを行うためのカテゴリー補助金などが含まれている。
次いで削減幅が大きかったのが環境プログラム・マネジメントに係る予算で、約7億ドル(2025年は約32億ドル)が削減された。この中には、ブラウンフィールド(汚染土壌)対策や大気汚染対策、生態系保護のためにEPAが管理している12の地域プログラム(特にカリフォルニア州やワシントン州のプロジェクトで大幅削減)のための費用、環境正義などの執行費用などが含まれている。
リー・ゼルディンEPA長官は5本柱のイニシアチブ(2025年2月10日記事参照)を掲げ、今回示した予算案もこれに沿ったものと主張する。しかし、EPA予算を半分以下に削減するという案は、既に議会でも与野党から多数の批判が寄せられている。与党・共和党からは、特に州向けの補助金の大幅削減について、数人の議員が反対の意向を示していると報じられている(政治専門紙「ポリティコ」5月30日)。
(加藤翔一)
(米国)
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