第1四半期GDP成長率、EU・ユーロ圏ともに前期比0.6%
(EU、ユーロ圏)
ブリュッセル発
2025年06月13日
EU統計局(ユーロスタット)は6月6日、2025年第1四半期(1~3月)のEU27カ国とユーロ圏20カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)はともに前期比0.6%と発表した(プレスリリース、添付資料表1、2参照)。前期比ベースでの四半期成長率としては、EU27カ国では2022年第2四半期の0.8%、ユーロ圏では同年第3四半期の0.6%以来となる比較的高い水準となった。
EUの第1四半期の実質GDP成長率(前期比)を需要項目別でみると、個人消費は前期の0.6%増から0.2%増(寄与度:0.1ポイント)に縮小、政府消費支出は0.5%増から0.1%減(0ポイント)とマイナスに転じた。総固定資本形成は前期の0.6%増から1.8%増(0.4ポイント)と拡大した。輸出は前期の0.1%増から1.6%増に拡大し、輸入は前期の0.1%減から1.4%増となり、純輸出はGDPを0.2ポイント押し上げた。
EUの第1四半期の実質GDP成長率(前期比)を国別でみると、加盟国間でばらつきがみられる(添付資料表2参照)。アイルランド(9.7%)、マルタ(2.1%)、キプロス(1.3%)の3カ国では1.0%以上の成長率だった。大幅な成長となったアイルランドでは、医薬品の輸出が成長を牽引した。一方、ルクセンブルク(マイナス1.0%)、スロベニア(マイナス0.8%)、ポルトガル、デンマーク(ともにマイナス0.5%)などの7カ国ではマイナス成長となった。ユーロ圏の主要4カ国では、スペイン(0.6%)、ドイツ(0.4%)、イタリア(0.3%)、フランス(0.1%)となり、前期にマイナス成長だったドイツとフランスを含めプラス成長になった。
2025年第1四半期の雇用者数の伸び率を前期比でみると、EUは横ばい、ユーロ圏は0.2%増だった(添付資料表3参照)。国別でみると、クロアチア(1.0%増)以外、1.0%未満の増加となり、ルーマニア(2.1%減)、エストニア(0.8%減)などの11カ国では雇用者数が減少した。
(大中登紀子)
(EU、ユーロ圏)
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