ロンタイン国際空港の地上サービス施設着工、接続道路の建設も進む
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年06月12日
ベトナム南部ドンナイ省で建設中のロンタイン国際空港(2021年1月13日記事参照)で5月25日、第1地上サービス施設(第1施設)と第2地上サービス施設(第2施設)が着工した。両施設は航空機や空港支援車両の修理・保守などの地上サービスを航空会社などへ提供する。第1施設はベトナム航空傘下のベトナム空港グランドサービス、第2施設はサイゴングランドサービスとハノイグランドサービスの共同企業体サイゴン・ロンタイングランドサービスが投資・建設する。
また、政府が主導するロンタイン国際空港の第1期工事(注)では、滑走路2本、旅客ターミナル1棟に加え、貨物ターミナルや管制塔などの関連施設を建設する。政府は2025年3月に6,058億ドン(約33億9,248万円、1ドン=約0.0056円)増額することを発表し、総投資額は約109兆7,175億ドンとなっている。ファム・ミン・チン首相は2025年3月末に現場を視察した際に、同年12月末までに第1期工事を完成させるよう指示を出した。2026年9月2日(ベトナム建国記念日)の開業を予定しており、開業後の2度の拡張工事を経て、ベトナム最大の空港となる予定だ。
ロンタイン国際空港にアクセスする道路建設も進んでおり、進捗は次のとおり(添付資料図参照)。
- ホーチミン市~ロンタイン~ザウザイ(ドンナイ省)間の高速道路:既に開通しているが、ホーチミン市は同市直轄トゥードゥク市のアンフー交差点から環状2号線の3.2キロの区間を8車線に拡張することを決定、2026年完成予定。
- ビエンホア(ドンナイ省)~ブンタウ(バリア・ブンタウ省)間の高速道路:着工から2年余りが経過し、多くの区間でアスファルト舗装が完了するなど、2025年12月開通に向けて工事が進む。
- ベンルック(ロンアン省)~ホーチミン市~ロンタイン間の高速道路:フォック・カン橋の工事に時間がかかるため、完成時期を2026年9月に延期。
- ザウザイ(ドンナイ省)~リエンクオン(ラムドン省)間の高速道路:一部区間が開通しているものの、着工していない区間があり、全線開通時期は未定。
(注)ロンタイン国際空港の建設プロジェクトは、第1期から第3期の3段階に分かれており、第1期で年間2,500万人の旅客を処理できる空港を整備し、第2期で年間5,000万人、第3期で年間1億人以上の旅客を処理できる設備に拡張する。現在のハノイ市のノイバイ国際空港の年間旅客処理能力は3,000万人、ホーチミン市のタンソンニャット国際空港は5,000万人(2025年4月25日記事参照)。
(小林真龍、ティエン・グエン)
(ベトナム)
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