山東省シ博市、「4強産業」で新興産業を育成

(中国)

青島発

2025年06月05日

中国・山東省淄博(しはく)市商務局の殷啓迪局長は5月28日、「2025国際青年交流会・淄博国際友好都市40周記念および第2回国際友好週間開幕式」において、淄博市の産業発展と国際協力の現状について紹介した。開幕式には、日本の在青島総領事館、福井県、大阪市、和歌山県、山口県、福岡県、沖縄県、ジェトロ青島事務所や日本自治体国際化協会北京事務所を含む28カ国の国際友好都市代表、中国大使館・領事館、企業家など300人以上が参加した。

淄博市の2024年の貨物貿易輸出入額は1,047億7,000万元(約2兆954億円、1元=約20円)にのぼり、2021年から2024年まで4年連続で1,000億元以上を維持している。対内直接投資額(実行ベース)は3億6,229万ドル、対外直接投資額(実行ベース)は5億7,868万ドルを記録した。

淄博市は工業基盤を生かした「以工興貿、以貿促工」(工業で貿易を興し、貿易で工業を促進)戦略により貿易の盛んな都市の建設を推進し、新材料、智能装備(スマート設備)、新医薬、電子情報の「4強産業」を重点育成している。2024年には一定規模以上の工業企業(注)の付加価値増加額に占める「4強産業」の割合が59.8%に達した。

新材料分野では、全国初の「新材料名都」として、ポリオレフィン産業、エンジニアリングプラスチック産業、ポリウレタン産業、フッ素・シリコン材料産業、機能ガラス・ガラス繊維産業、希土類機能材料産業、金属新材料産業の7つの産業チェーンを重点構築している。

智能装備分野では、国家スマートシティ基礎インフラとインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の協同発展試験都市として、ロボット産業、新エネルギー車産業、スマート設備産業の3つの産業チェーンを重点発展させている。

新医薬分野では、全国医薬製品輸出基地、国家ハイテク産業開発計画バイオ医薬産業基地として、新華医療など8社の上場企業を含む約260社の重点企業を育成し、原料薬から医療機器・消耗材まで整備された産業チェーンを形成している。

電子情報分野では、世界最大のICカード封止試験基地、ならびに国内初のMEMS(微小電気機械システム)専用デバイス研究開発・設計・製造産業基地として、智洋創新など162社の重点企業を育成している。

陶磁器・ガラス生産においても、中国の重要基地として、日用および芸術用の陶磁器やガラス製品、建築陶器、先進セラミックスの3つの産業チェーンを重点構築している。日用・芸術用陶磁器やガラス製品については、全国中高級市場での占有率が30%を超えている。

また、今後も投資、貿易、人文交流分野での国際協力深化を推進し、より多くの企業の進出を歓迎すると述べた。

写真 殷啓迪淄博市商務局長の紹介の様子(ジェトロ撮影)

殷啓迪淄博市商務局長の紹介の様子(ジェトロ撮影)

(注)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(皆川幸夫)

(中国)

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