新都市アラタウの開発を議論、アスタナ国際フォーラム

(カザフスタン)

タシケント発

2025年06月09日

カザフスタンの首都アスタナで5月29~30日、アスタナ国際フォーラムが開催された。カシムジョマルト・トカエフ大統領の主導で、アルマトイ郊外に新都市アラタウの開発が進められている。同市に、デジタルや先進技術の導入を行う計画だ。29日に行われた分科会「アラタウ市:未来は今」では、新都市アラタウについての議論や発表が行われた。

アラタウのマスタープラン策定を担当するアジア・インフラストラクチャー・ソリューションズ・シンガポールのウォン・ヒアン・ファイン会長は、アラタウのコンセプトについて説明した。新たな経済エコシステムとライフスタイルを提供する都市であり、様々な先進技術を試行導入できるサンドボックスだと強調。中央アジアに創造性のある人材を集める拠点にすると述べ、世界から優秀なテクノロジー企業やスタートアップ企業の誘致を推進することを示唆した。

カナト・ボズムバエフ副首相は、アラタウ開発計画の全体像と進捗を説明し、2024年に設置した新たな国家組織や、外国投資誘致のための取り組みを紹介した。

電動垂直離着陸機(eVTOL)、いわゆるエアタクシーの開発・製造を行う米国企業ジョビー・アビエーションのステファン・バラル企業開発ダイレクターも登壇し、自社の紹介を行い、アラタウでのエアタクシー運航について意欲を示した。

アラタウは、2024年5月にトカエフ大統領がシンガポールを訪問した際に、都市開発を発表し、経済特区に指定した地域。カザフスタン最大都市アルマトイの北部に位置し、経済特区の面積は9万7,900ヘクタール。2024年のアラタウへの投資額は394億テンゲ(約110億円、1テンゲ=約0.28円)に上った(「テングリニュース」5月18日)。都市開発には、アジア・インフラストラクチャー・ソリューションズ・シンガポールのほか、KPMG韓国も工業団地の開発計画や投資家の誘致に参画している。

写真 フォーラム会場に設置されたアラタウ紹介ブース(ジェトロ撮影)

フォーラム会場に設置されたアラタウ紹介ブース(ジェトロ撮影)

(一瀬友太)

(カザフスタン)

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