2025/2026年度のGDP成長率はマイナス2.5%、地震による経済への影響は深刻
(ミャンマー)
調査部アジア大洋州課
2025年06月18日
世界銀行は6月12日に「ミャンマー経済モニター(Myanmar Economic Monitor June 2025)」を発表し、ミャンマーの2025/2026年度(2025年4月~2026年3月)の実質GDP成長率をマイナス2.5%と予測した。2024年12月時点の予測値は2.0%だったが、マイナスに転じた。これは主に2025年3月にミャンマー中部で発生した地震の影響によるものだ。地震による物理的資産への直接的な損害は、GDPの14%に相当する110億ドルと推計されている(2025年5月29日記事参照)。ミャンマー中部に位置するマンダレー管区、バゴー管区、マグウェイ管区、ザガイン管区、首都ネピドーの5地域で1,700万人以上が被災し、そのうち900万人が深刻な影響を受けている。
同報告は、3月の地震によりミャンマーは深刻な打撃を受け、経済的な影響は企業と世帯が直面する紛争、電力不足、貿易・為替制限など、既存の課題をさらに悪化させていると指摘した。物価は急速に上昇し続けており、2025年4月までの年間インフレ率は34.1%と推計され、家計所得と消費をさらに圧迫している。
(アジア大洋州課)
(ミャンマー)
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