BRICS各国の支持を受け、エチオピアのBRICS銀行加盟が前進

(エチオピア)

アディスアベバ発

2025年06月19日

ブラジル・リオデジャネイロで、7月6~7日に第17回BRICS首脳会議が開催される予定だ。これに先立ち、エチオピアのレウルセゲド・タデセ駐ブラジル大使は4月17日、「新開発銀行(NDB、通称:BRICS銀行)加盟は今年(2025年)の優先事項であり、既に正式に申請を提出している。全ての加盟国が支持を表明しており、間もなく加盟手続きが完了することを期待している」と述べた。

ロシアのエフゲニー・テレーヒン駐エチオピア大使も2025年5月7日、「BRICS加盟はエチオピアの経済成長と国際的地位向上の重要な推進力となっている」と述べており、インドのアニル・クマール駐エチオピア大使も5月19日の投資フォーラムで、NDBでの議決権を活用してエチオピアへの金融支援を提供すると表明した、と現地紙が報じるなど、BRICS主要国からの支援が相次いでいる。

エチオピアは2024年1月のBRICS正式加盟後、NDBへの加盟申請を行っている。同国は国際的なプレゼンス向上を図っており、2025年4月17日にブラジルで開催されたBRICS農業相会合では、タデセ大使が「アフリカで2番目に人口の多い国として食料安全保障と農業部門の近代化を優先している」と発言した。また、5月15日の交通相会合では「アフリカの航空ハブになる」という目標を示し、空港拡張や新メガ空港開発などのインフラ整備計画を説明した。加盟後は農業、エネルギー、工業分野に重点を置く予定としている。

NDBは2015年に5カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)によって設立された多国間開発銀行で、新興国・途上国のインフラ・持続可能な開発プロジェクトに資金を提供している。授権資本は1,000億ドルで、本部は中国・上海にある。2023年末時点でのコミット済み融資額は約319億ドル、総資産は288億ドルに達した。現在の加盟国は創設時の5カ国にバングラデシュ、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリアを加えた9カ国(ウルグアイは加盟候補国)。エチオピアが加盟すればアフリカでは4カ国目となる。

(石川晶一)

(エチオピア)

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