タイ中銀の4月経済金融報告、タイ経済は製造業などで改善傾向も、観光が低調
(タイ)
バンコク発
2025年06月10日
タイ中央銀行(BOT)は5月30日、4月の月例経済金融報告を発表した。4月のタイ経済は、製造業(前月比2.9%増)、民間投資(2.9%増)の増加などを受け、前月から改善した。他方で主力の観光収入は、改善傾向にあるが、足元では外国人旅行者数の減少が続いている。
製造業は、国内の乗用車販売の改善に伴い、乗用車生産が改善を示した。また、前月の輸出急増に伴う在庫の積み増しにより、エアコンなど一部の品目で生産が増加した一方、電子回路・部品などでは、前月に加速したものの、当月は減速した。
民間投資は、機械・設備と自動車が牽引し、前月から増加した。建設投資については、住宅建設は改善している一方、非住宅建設は主にホテル建設の鈍化により減少した。
外国人旅行者数は、前月の大幅な減速から若干増加したものの、低い水準となっており、前年同月比では2月から3カ月連続のマイナス成長となった。
また、BOTによれば、米国の通商政策による悪影響はまだ顕在化しておらず、原材料や部品の輸入が増加したことから、米国によるさらなる追加関税が発効するまでは対米輸出が加速する可能性があるとしている。
(藤田豊)
(タイ)
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