2025年新一線都市魅力度ランキング発表、武漢市は第4位に上昇

(中国)

武漢発

2025年06月06日

中国の経済情報メディア、第一財経傘下の新一線都市研究所は5月28日、「2025年新一線都市魅力度ランキング」を発表した。同ランキングは2016年から10年連続で発表しており、約200のブランド、14のIT企業から提供されたビッグデータに基づく「商業施設の充実度」「都市のハブとしての機能性」「市民の活性度」「新経済の競争力」「将来の可能性」の5つの評価指標(各指標説明は後述)によって、中国の337都市を評価したものだ(2016年以降のランキングは添付資料表参照)。

中部地域(注1)では、湖北省武漢市が「一線都市」(注2)に次ぐ「新一線都市」として、前年より順位を1つ上げて4位になった。このほか、湖南省長沙市が8位、河南省鄭州市が9位、安徽省合肥市は過去最高の11位に入った。

各指標ついての特徴は次のとおり。

  • 「商業施設の充実度」:商業資源の集中は、有名ブランド優先指数、商業中核指数、商業配置の成熟度からなる。ブランドの立地は「効率第一」に回帰しており、ブランド導入のタイムラグを見ると、四川省成都市と上海市は1カ月半しかなく、浙江省杭州市と江蘇省南京市は半年となっている。
  • 「都市のハブとしての機能性」:交通アクセス度、都市間移動指数、産業シナジー連合指数、商業資源の地域中心度によって測定。企業は「産業シナジー」チェーンを強化するため、杭州市の企業が上海市、合肥市、広東省深セン市などに支店を配置するなど、地域を越えた拠点設置の強化が行われている。
  • 「市民の活性度」:主に消費、レジャー、夜間の3つの側面から市民の活性度を測定。2024年以降、中小都市の文化・観光消費活動が大幅に増加し、黒龍江省ハルビン市、山西省大同市、湖南省張家界市などのネットに取り上げられた都市がオフラインでの熱気を牽引している。
  • 「新経済の競争力」:企業のリーダーシップ、新消費指数(注3)と産業チェーンエコロジー指数で構成。蘇州市、合肥市、重慶市などは集積回路、新エネルギー、ハイエンド設備のシェアを大幅に上昇させた。
  • 「将来の可能性」:イノベーション風土指数、人材誘致指数、都市規模指数などを含み、都市の長期的な収容力を重視。武漢市、陝西省西安市、南京市は研究機関数で新一線都市のトップクラスにあり、イノベーション資源の重要な拠点となっている。西安市、武漢市、成都市は省内の大卒者の70%以上を吸収しており、省内の核を構成している。杭州市と武漢市は医療資源の提供に優れている。

(注1)一般的に、湖北省、湖南省、河南省、江西省、安徽省、山西省の6省を指す。

(注2)「一線都市」とは、全国的な政治・経済活動などの社会活動で重要な地位にあり、影響力・牽引力を持った大都市を指し、上海市、北京市、広州市、深セン市が当てはまる。

(注3)「新消費」とは、オンラインショッピング、モバイル決済、オンラインとオフラインの融合などの新型業態、新型モデルを特徴とした消費を指す。

(高橋大輔)

(中国)

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