トヨタ・カナダ、次世代RAV4に向けて電池パック組立ラインを導入へ
(カナダ)
トロント発
2025年06月24日
トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・カナダ(TMMC)は6月19日、2026年モデルの次世代RAV4の生産に向けて、オンタリオ州ケンブリッジおよびウッドストックの2工場に新しく電池パックの組立ラインを導入する方針を明らかにした(オートモーティブ・ニュース・カナダ6月19日)。
この決定は、カナダ市場向けの2026年モデルのRAV4が、ハイブリッド車(HEV)およびプラグインハイブリッド車(PHEV)のみになることを受け、両工場でバッテリー需要増加に対応した生産体制を構築することを目的としている。これまで両工場では、完成済みのバッテリーパックの車両への搭載のみだったが、今後は、2025年に米国ノースカロライナ州に新設される同社バッテリー工場から供給されるモジュールをパック化し、ケンブリッジおよびウッドストックで造られたRAV4に組み込む方式に移行の予定だ。
TMMCの企業・対外関係ディレクター、スコット・マッケンジー氏は「工場にとって大きな変化である」と述べ、「既存の工場内の再配置をしながら、新たな組立ラインの設置を進めている」と説明した。組立ラインの設置に向けた工場の大規模な再整備作業は2025年後半に実施される予定だが、2025年モデルのRAV4生産と並行して行われるため、工場の稼働停止は数日程度にとどまる見込みという。なお、工場の再整備や組立ライン設置にかかる投資額は公表されていない。
米国による自動車関税について、マッケンジー氏は「懸念はあるものの、トヨタ・カナダは2026年モデルのRAV4投入に向けて、長期的な視点で計画を着実に進めている」と述べた。関税による追加コストを受けながらも、同社はカナダ国内での生産と雇用を維持しつつ、工場の効率化に注力する方針を示している。また、関税問題については「冷静な判断がなされることを期待している」とコメントし、将来的な改善に期待を寄せた。
RAV4はトヨタ・カナダで最も販売台数の多いモデルで、同社の総販売台数の約3分の1を占めている。2024年には7万7,556台が販売され、フォードFシリーズに次いで、カナダ国内で2位の販売台数を記録している。
(井口まゆ子)
(カナダ)
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