チェコ第2の都市ブルノ、大阪・関西万博でビジネスセミナーを開催
(チェコ、日本)
調査部欧州課
2025年06月30日
チェコ第2の都市ブルノ市の国際展示場「ブルノ展示場(BVV Trade Fairs Brno)」は6月18日、大阪・関西万博のチェコパビリオンにおいて、セミナー&ネットワーキングイベント「チェコ・ブルノ-中欧におけるグローバルビジネスの中心地-」を開催した。チェコトレード(チェコ共和国貿易振興庁)とジェトロが後援し、中・東欧でのビジネス展開を検討する日本企業など120人以上が参加した。
セミナー会場の様子(ジェトロ撮影)
ブルノ市の副市長や、大阪・関西万博のチェコパビリオン(チェコ館)の代表者による開会あいさつの後、ジェトロが「チェコの経済・ビジネス動向について」と題した講演を行った。森友梨・調査部欧州課課長代理は日系企業のチェコ進出のメリットとして、製造業が主要産業で、半径400キロ圏内に約20の乗用車生産拠点を持つことや、労働コストは近年上昇しているものの西欧諸国と比べてまだ半分程度であることなどを紹介した。また、海外展開支援部販路開拓課の野出祥子職員は、2025年10月7~10日にブルノ市で開催される中・東欧最大級の産業機械関連の展示会「国際エンジニアリングフェア(MSV)2025」のジャパンパビリオンの紹介と出品者募集を行った。
続いて、セミナー主催者でMSVの会場となるブルノ展示場の運営を行うヤン・クバタ最高経営責任者(CEO)が講演を行った。大規模な産業見本市を数多く運営し、近年デジタル化を進めるブルノ展示場の魅力を紹介するとともに、重工業、自動化、防衛産業、農業、スマートシティなど多様な同展示場のポートフォリオを紹介した。同展示場のルカーシュ・ヘラン最高執行責任者(COO)によると、2024年はMSVに40カ国以上から1,300社が出展し、参加者は約5万5,000人だった。
ブルノ展示場のクバタCEOの講演の様子(ジェトロ撮影)
続いて、ブルノ市内の配管や電気、ネットワークなどのインフラを管理する企業ブルノ・テクニカル・ネットワークのパベル・ロウチェク代表取締役社長は、同社が住民の生活に関わる各種デジタルデータ(動物園のチケット購入履歴や図書館の貸し出し状況、交通状況のモニタリングなど)をつなぐことで、ブルノ市のスマートシティ化を進めているとした。
また、欧州10カ国で工業団地を所有・管理する企業CTPから、南モラビア(注)の事業開発を担当するイジー・ドブルチェル氏が登壇。ブルノ市中心部から5キロの距離に位置し、周辺に13の大学があるCTPブルノは、生物医学や工学、ITなどの技術と研究開発(R&D)に重点を置いている。日立エナジーやダイキン、矢崎総業などの日系を含むアジアの企業も多く入居し、約1万人が働いている。ドブルチェル氏は、CTPは入居企業に対して、設計・企画、認可手続き、工事、メンテナンス、管理などのフルサービスを提供していると説明した。
セミナー後は、チェコパビリオンの屋上で、参加企業と登壇者によるネットワーキングが行われた。
(注)モラビアは、ブルノ市を含むチェコの東部。
(森友梨)
(チェコ、日本)
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