ニデック、カルナータカ州フブリ市に産業用モーター工場を開設

(インド)

ベンガルール発

2025年06月10日

ニデックは6月2日、インド南部カルナータカ州のフブリ市に開設した産業用モーター工場の開所式を行った。同社は、2024年11月にアンドラ・プラデシュ(AP)州スリ・シティ工業団地内にエアコン向けモーター製造の工場を開設しており(2024年11月20日記事参照)、2025年5月にはラジャスタン州ニムラナの既存工場の新棟(第3棟)の起工式を実施するなど、近年、インド国内に相次いで製造拠点の開設を進めている。

今回の新工場は、ニデック・インダストリアル・オートメーション・インディア(Nidec Industrial Automation India)による4つ目の工場であり、ベンガルール市内から北西に約450キロに位置するフブリ市内のカルナータカ州工業団地開発局(KIADB:Karnataka Industrial Area Development Board)管轄の工業団地内に開設された。2023年9月に起工式が行われていた。

投資額は総額5,500万ドル、総敷地面積は12万1,400平方メートル、工場の敷地面積は5万5,000平方メートルに上る。今後、通信事業、データセンター、病院、ホテル、空港、学校、大型客船などをターゲットに、発電機向けオルタネータのさらなる販路拡大を目指す。第1工場に続き、残り5つの工場もほぼ完成に近づいており、将来的に2,000人程度の従業員の確保を目指す。

開所式典にはカルナータカ州のM.B.パティル大・中規模産業・インフラ開発相が参加するなど、今回のニデックによる州郊外の大規模投資に、州政府も大きな期待を寄せている様子がうかがえる。

ニデックのモーション&エナジー事業本部の岸前貴志副本部長は、今回開設したフブリ工場の位置付けについて「今回の投資はインドという成長市場において、政府が掲げる製造業振興策メーク・イン・インディアとも合致した戦略投資であり、モーション・エナジー事業では初の試みとなる6つの異なる事業(発電機事業、パワーコンバージョン事業、大型産業用モーター事業、トラクション事業、エレベータ事業、制御ドライブ事業)による合同投資プロジェクトとなる。これまで各事業が分散して行ってきた開発、営業、購買、生産などの事業活動を一カ所に集約、また間接部門を共有化することで、シナジー活動を促進し、生産量を上げ、コストを大きく引き下げることで利益ある成長を狙っていく」と語り、今後のインド市場における生産・販売拡大に大きな期待を示した。

写真 開所式の様子(右から3人目が岸前貴志副本部長、同6人目がM.B.パティル大・中規模産業・インフラ開発相)(ジェトロ撮影)

開所式の様子(右から3人目が岸前貴志副本部長、同6人目がM.B.パティル大・中規模産業・インフラ開発相)(ジェトロ撮影)

写真 工場敷地内の様子(ジェトロ撮影)

工場敷地内の様子(ジェトロ撮影)

(水谷俊博)

(インド)

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