ネタニヤフ首相、軍事作戦の「歴史的勝利」宣言、戦時下の制限は全面解除

(イスラエル、イラン、米国)

テルアビブ発

2025年06月26日

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は6月23日夜に安全保障閣議を招集し、対イラン軍事作戦「ライジング・ライオン作戦」の全ての目標を達成したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。首相府は声明で「イスラエルは、核問題と弾道ミサイルの両面で国家の存続を脅かす二重の脅威を排除した」と述べた。

イスラエル国防軍(IDF)はイランのテヘラン上空で制空権を完全に掌握し、イランの軍指導部に深刻な打撃を与え、イラン政権の数十カ所の主要施設を破壊したとしている。さらに、過去数日間にわたり、IDFはテヘラン中心部の政権施設を攻撃し、イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)の下部組織の戦闘員数百人や、イランの著名な核科学者1人を殺害したという。

イスラエル政府は、作戦の成功に対する米国の支援に感謝を表明し、特にドナルド・トランプ米大統領の防衛支援とイランの核脅威除去への貢献を高く評価した。作戦目的の達成とトランプ大統領との全面的な連携を踏まえ、イスラエルは大統領の提案したイランとの2国間停戦案(2025年6月24日記事参照)に合意したという。イスラエル首相府は「ライジング・ライオン作戦はイスラエルにとって歴史的な偉業であり、イスラエルを世界の主要国の一角に押し上げた」と強調した。

ネタニヤフ首相は6月24日、国民に向けたビデオ声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで「イランに対する歴史的な勝利を収めた」とし、「この勝利は世代を超えて語り継がれるだろう」と述べた。また、同首相は軍事作戦によって「イランの核開発計画は消滅した」とし、「イランが再建を試みれば、同じ決意と力で断固として阻止する」と断言した。さらに、トランプ米大統領と米国の支援に深い感謝を示し、「イスラエルはホワイトハウスにこれほど偉大な友人を持ったことはない」と述べ、「米国の防衛面だけでなく、攻撃面での作戦に参加という決定は歴史的なものであり、外交努力の成果だ」と強調した。

イランとの停戦発効を受け、イスラエルの民間防衛軍(ホーム・フロント・コマンド)によると、6月24日午後8時から26日午後8時(日本時間25日午前2時から27日午前2時)までの間は、職場や教育現場では制限なく活動できるとしている。

24日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙によると、イスラエル空港庁は同日、発着便数や各便の乗客数の制限を解除したと発表した。

イスラエル・イラン情勢に関する動向、各国の反応については、ジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、イラン、米国)

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