第1四半期GDP成長率は前年同期比2.9%、農畜産業が下支え

(ブラジル)

サンパウロ発

2025年06月10日

ブラジル地理統計院(IBGE)は5月30日、2025年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を発表した。前年同期比2.9%、前期比(季節調整済み)1.4%だった(添付資料表参照)。

需要要素別にみると、GDPの約6割以上を占める個人消費支出が前年同期比2.6%増加した。IBGEのレベッカ・パリス国民経済計算コーディネーターは、その要因について「政策金利や物価が上昇しているものの、労働市場の過熱継続、低所得者向け現金給付プログラムの維持、個人向け融資額の拡大などが寄与した」と説明している。また、財・サービス輸入は14%増と大幅に増加し、IBGEによると輸送機器、電力機器、化学品などが押し上げ要因となった。

産業別にみると、農畜産業が前年同期比10.2%増、工業が2.4%増、サービス業が2.1%増加した。IBGEは農畜産業が好調な背景について、好天による大豆、トウモロコシ、コメなどの増産を挙げた。またパリス氏は、2024年に干ばつや火災の影響で農畜産物の生産が落ち込んだ反動も、第1四半期の成長率を押し上げる一因になったと述べた。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

ビジネス短信 222be139da3431f3