第1四半期の実質GDP成長率は前期比0.8%、2期連続プラス成長
(ニュージーランド)
シドニー発
2025年06月30日
ニュージーランド統計局は6月19日、2025年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前期比0.8%(注)だったと発表した。前年同期比では1.1%減となった。前期比は、2024年第2四半期(4~6月)から2期連続でマイナス成長だったが、2024年第4四半期(10~12月)から2期連続でプラス成長を記録した。
需要項目別では、民間消費支出が前期比1.3%増、政府最終消費支出も1.0%増となり、いずれも同四半期の成長を下支えした。文化サービス、その他のデジタルサービスの輸入、宿泊サービスなどサービス支出の増加や、新車、中古車、衣料品など耐久財への支出が増加した。一方、流通在庫の減少により在庫変動が2億100万ニュージーランド・ドル(約176億8,800万円、NZドル、1NZドル=約88円)減少し、成長の押し下げ要因となった。
産業別にみると、第一次産業、第二次産業、第三次産業のいずれもプラス成長だった(添付資料表参照)。項目別にみると、製造業は前期比2.4%増で、輸送用機器、機械設備の生産増加が牽引した。専門・科学・技術・管理・ビジネスサービスが2.4%増のほか、医療・保健・社会支援も1.4%増加した。一方、芸術・余暇その他のサービス1.9%減、情報メディア・通信サービス0.8%減、卸売業0.5%減だった。
オーストラリア・ニュージーランド大手のウェストパック銀行によると、今期の実質GDP成長率(前期比)はウェストパック銀行自身の予想(0.7%)、市場関係者予想(0.7%)、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)の予想(0.4%)の全てを上回ったという。また、経済が2024年の急激な落ち込みから予想よりも早く回復していることから、RBNZは6会合連続引き下げた政策金利を7月は据え置くだろうと予測した。
(注)全て季節調整済みの数字。
(山崎美樹)
(ニュージーランド)
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