英国でAI特化の展示会「AIサミット・ロンドン」に日系スタートアップ4社が出展

(英国)

ロンドン発

2025年06月20日

英国最大のスタートアップ展示会「ロンドン・テック・ウイーク」が6911日にロンドンで開催された。同展示会自体は3日間だが、この週を「ロンドン・テック・ウイーク」と銘打ち、ロンドン各地でさまざまなサイドイベントを開催している。

ジェトロでは今回、そのサイドイベントの1つ「AIサミット・ロンドン」(61112日)への日系スタートアップ4社(添付資料表参照)のブース出展を支援した。今回で9回目の開催となる同イベントには合計124社が出展し、2日間で5,000人以上が来場した。2024年の来場者数は4,000人程度であり、人工知能(AI)への注目度の高まりが見て取れる。

ジェトロが来場者に聴取したところ、AI・テクノロジーの専門知識を有することに加え、社内AI活用推進の担当者が目立った。特定の技術や製品より、AIの最新動向調査を来場の目的としており、急速に変化するAI産業の動向が感じられた。

写真 会場内の様子(ジェトロ撮影)

会場内の様子(ジェトロ撮影)

同イベントではスタートアップ・ピッチ・コンペティションも開催され、6カ国17社が参加し、ジェトロが出展支援した日系スタートアップ4社も出場した。ピッチに参加した企業のサービス分野としては、サイバーセキュリティーやヘルスケア、マーケティング、教育など多岐にわたり、完全あるいはほぼノーコードのサービスを提供している点が目立った。全社5分間のピッチを行い、ファイナリストにはジェトロ支援の日系スタートアップ2社(エイゾス、コトズナ)を含む全4社が選ばれた。ファイナリストには、オクトパスベンチャーズやシュアバレー・ベンチャーズといったベンチャーキャピタル(VC)を代表する審査員から、ビジネスモデル(収益化方法)に加えて、競争激化が今後見込まれる中での自社製品の差別化や今後の展望について質問が寄せられた。優勝企業はイタリアのインシリコ・トライアルズだった。医薬品・医療機器の開発でAIを活用し、臨床試験の時間とコストを大幅に削減する。

写真 スタートアップ・ピッチ・コンペティションの様子(ジェトロ撮影)

スタートアップ・ピッチ・コンペティションの様子(ジェトロ撮影)

「ロンドン・テック・ウイーク」の次回は2026年6月8~10日、サイドイベントは6月8~12日、「AIサミット・ロンドン」は6月10~11日に開催の予定だ。

(吉田祥子)

(英国)

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