電気料金引き上げ、急激な変動に懸念も

(スリランカ)

コロンボ発

2025年06月20日

スリランカ公益事業委員会(PUCSL)は6月12日、電気料金を平均15%引き上げた。産業用では、1キロワット時(kWh)当たり17.87ルピー(約8.6円、1ルピー=約0.48円)から20.0%増の20.55ルピーになった(注)。同国の電気料金は2024年3月に同21.9%減、7月に同22.5%減、2025年1月に同20.0%減と、引き下げが続いていた。

引き上げの背景には、国有企業のセイロン電力庁(CEB)の財務状況の悪化がある。CEBは5月16日、財務と事業運営の安定化に向け、同委員会に電気料金引き上げへの承認を求めていた。また、構造改革を条件として金融支援を実施しているIMFも、CEBの収益改善を図るために引き上げを促していた。

ジェトロがヒアリングした在スリランカ日系企業からは、電気料金の急激な変動による事業への影響を懸念する声も上がっている(ヒアリング日:6月11日)。

(注)今回の電気料金引き上げは6月11日に発表され、翌12日から実施。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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