ギニア、大阪・関西万博で日本企業に連携強化を訴え
(ギニア、日本)
企画部企画課
2025年06月18日
ギニア政府は6月11日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)でナショナルデー開催に伴うアマドゥ・ウリ・バー暫定政府首相の訪日を契機として、「ギニア・ビジネス・フォーラム」を万博会場内で開催した。同首相や漁業・海洋経済省顧問が登壇し、農業や水産、鉱業、インフラといった多岐にわたる分野の日本企業の投資を呼びかけた。
バー首相はあいさつで、「シマンドゥ2040」プロジェクトをはじめとする鉱山資源開発での日本企業の貢献に謝意を示し、「日本企業とともに、確実な経済発展を実現したい」と語った。「シマンドゥ2040」はギニアが推進する国家開発戦略で、世界最大級の鉄鉱石鉱床「シマンドゥ鉱山」の開発を中核に据えている。年間1億2,000万トンの鉄鉱石生産を目指し、約600キロの鉄道と深水港の整備など、大規模インフラ開発も進める計画だ。このプロジェクトは鉱業収益の最大化に加え、教育、保健、農業、エネルギーなど14分野にわたる122のプロジェクトと36の制度改革を実施し、国内全体の発展を図る。
バー首相のあいさつ(ジェトロ撮影)
ラビアトゥ・ジアビ漁業・海洋経済省顧問は海洋資源の持続可能な利用と漁業発展について説明した。グベシア漁港の近代化によって衛生環境と効率化を図り、漁獲後の損失を減らすとともに、漁業者の労働環境を改善する一方、内陸部では養殖漁業を推進し、食料安全保障と収入源多様化に貢献していると述べた。さらに、水揚げから加工・流通までを強化するブルーエコノミー開発計画により、国内外市場で競争力向上を目指すという。また、同氏は、国内流通網の整備や燻製(くんせい)魚の輸出促進、国際基準の加工施設建設など多様な投資機会を提供し、持続可能かつ収益性の高い漁業セクターの実現に向け、官民一体で取り組みを推進していると述べた。
参加した日本企業から同国の水産加工状況について質問が上がり、これに対して、同氏は同国では燻製魚加工が主流とし、国際協力機構(JICA)の協力によって燻製加工工場の建設、小規模港の整備が進められていると回答した。
ジアビ氏による説明(ジェトロ撮影)
ギニア輸出促進庁(AGUIPEX)のアマドゥ・ダフ・バルデ局長は「加工・保存だけでなく、ロジスティクスの面でも日本企業と協力していきたい」と語った。シマンドゥ鉱山開発をはじめとする多分野での連携強化が期待されている。
(安藤佳耶)
(ギニア、日本)
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