インド商工省商務局・外国貿易部、貴金属化合物の一部輸入制限を発表
(インド)
ベンガルール発
2025年06月25日
インド商工省商務局・外国貿易部(Directorate General of Foreign Trade:DGFT)は6月17日、一部の貴金属化合物の輸入を制限品目に指定した。インドの輸出入制度では、各製品は自由品目、制限品目、禁止品目、業者指定品目の4つに大別され、工業製品を含めてほとんどの品目は自由品目に該当する。DGFTがウェブサイト上で公表した通達(添付資料参照)によると、該当するHSコードは2843「貴金属の無機又は有機の化合物(化学的に単一であるかないかを問わない)、コロイド状貴金属及び貴金属のアマルガム」で、同通達でHSコード6桁以下の詳細が確認できる。今後、これら品目を輸入する場合、DGFTのポータルサイトで事前申請し、認可を取得しておく必要がある。申請手順
はDGFTが公開している。
これらの化合物は、触媒、医薬、電気めっきなど、幅広い分野で使用されており、2024年のインドの輸入額(HSコード2843)は22億9,571万ドルに上る。特に金化合物(284330)12億5,347万ドル、その他の化合物及びアマルガム(284390)10億1,983万ドルと、これら2品目が大半を占める。日本からの輸入割合がそれぞれ80.5%、96.4%と高いのも特徴だ。
今回の制限品目への移行の背景について、商工省は6月19日に発表したプレスリリースで、化合物を装った金の輸入を規制するためと説明した。
ジェトロのインド事務所にも今回の規制に関する相談が複数寄せられており、特にインドに製造拠点を構える日本企業から懸念の声が上がっている。
(水谷俊博)
(インド)
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