中国、サプライチェーンのデジタル化・スマート化に向けた特別行動計画を発表
(中国)
北京発
2025年06月05日
中国の商務部など8部門は5月21日、「サプライチェーンのデジタル化・スマート化促進特別行動計画」を発表した(文書は3月24日付)。
同計画は、「全社会の物流コストを効果的に低減させる行動計画」(2024年12月6日記事参照)を踏まえたもので、サプライチェーンの革新と応用を深化させ、現代的な商業・貿易・流通システムを整備し、物流コストの効果的な低減に加え、産業チェーン・サプライチェーンの競争力と強靭(きょうじん)性を高めるとした。サプライチェーンそれぞれの特徴とニーズに応じて、サプライチェーンのデジタル化・スマート化・可視化に向けた産業政策を打ち出すとしている。
計画では、「1サプライチェーン1施策」として、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)、ブロックチェーンなどの新技術を活用し、サプライチェーンのデジタル化・スマート化・可視化を推進するとしている。2030年までに、デジタル化・スマート化サプライチェーンの普及に向けた発展モデルを形成するため、重要産業・分野でリーディングカンパニーを約100社育成するとした。
具体的には、5つの重点分野、10項目の取り組みを進めるとした(添付資料表参照)。重点分野のうち、「製造業サプライチェーンのスマート化の促進」では、AIによる新型工業化をサポートする特別行動を展開するなど、スマート工場・スマートサプライチェーンを構築するとした。また、「物流コスト低減の推進」では、スマート立体倉庫、自動誘導型搬送車、無人配送車などの施設設備を普及させるとしている。
10項目の取り組みでは、産業チェーン・サプライチェーンで中心的役割を担い競争力を持つ企業に対し、サプライチェーンにおけるデジタル化・スマート化への転換を牽引することを奨励するとした。そのほかには、「一帯一路」沿線国、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定加盟国との連携を強化することで、デジタル化・スマート化されたサプライチェーンや越境EC(電子商取引)、海外の倉庫・物流の相乗的な発展をサポートし、施設、データ、標準の共有・相互接続を推進するとした。
なお、本行動計画に続く次のステップとして、商務部など8部門は、デジタル化・スマート化されたサプライチェーンのリーディングカンパニーとサプライチェーン中心都市を育成するとしている。
(蔣春霞)
(中国)
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