TOPPAN、リサイクルに適した透明バリアフィルムの生産工場をチェコに開所
(チェコ、日本)
プラハ発
2025年06月17日
TOPPAN(本社:東京都文京区)のチェコ現地法人Toppan Packaging Czechは6月3日、チェコ北西部のモスト市に建設を進めていた透明バリアフィルム(主に食品や医薬品の包装材として使用)生産工場の開所式を開催した。式典には、ルカーシュ・ブルチェック産業貿易相、地元選出のヤン・パパレガ上院議員、マレク・フルボル・モスト市長、長岡寛介・駐チェコ日本大使など約100人が出席した。
生産工場の開所式(Toppan Packaging Czech提供)
同社の透明バリアフィルム事業にとって、チェコ工場は欧州初の生産拠点になる。EUでの包装・包装廃棄物規則(PPWR、2024年12月20日記事参照、注)への対応を見据え、リサイクルに適したモノマテリアル(単一素材構成)パッケージをはじめとする環境配慮型パッケージ向けの供給能力を強化する。
また、日米欧3拠点の生産体制を確立することで、地政学的リスクや自然災害リスクを分散し、事業継続性を向上させるとともに、地産地消型のサプライチェーンを構築する狙いもある。
開所式で、TOPPANの大矢諭代表取締役社長は「欧州のプラスチックリサイクルに対する取り組みは先進的だ。当社もこの動きに呼応し、リサイクルが容易なタイプのバリアフィルムを、欧州の中心であるチェコで製造し、欧州各国の顧客に直接供給できる体制が整った」と述べ、チェコのみならず、欧州でサステナブルな社会の実現に貢献していくと、今後の抱負を語った。
(注)PPWRでは、2030年までに市場に出回る全ての包装材をリサイクル可能にすることなどが求められる。詳細はジェトロ調査レポート「EU循環型経済関連法の最新概要」(2024年11月)を参照。
(宮川嵩浩)
(チェコ、日本)
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