米関税措置のスロバキア進出日系企業への影響、現時点では限定的との回答が6割
(スロバキア、米国)
プラハ発
2025年05月15日
ジェトロは、米国政府が発表した関税措置に関し、スロバキアで4月16~28日に緊急アンケート調査を実施した。対象は在スロバキア日系企業68社で、23社から回答を得た(うち製造業11社、非製造業12社)。結果の概要は次のとおり(詳細な集計結果は添付資料図1~6を参照)。
- 相互関税政策によるビジネスへの影響:回答企業の約6割が「影響は限定的である」、または「ほとんど影響はない」と回答。一方、「非常に大きな影響がある」、または「ある程度影響がある」と回答した企業(主に自動車関連)は3割だった。
- 具体的な影響(複数回答):「サプライチェーンの混乱」と「顧客・取引先からの圧力」がそれぞれ30%、「製品・サービス価格への転嫁の必要性」が22%、「調達・輸入コストの上昇」が17%、「事業縮小や再構築の検討」が13%だった。「その他」(43%)では、「顧客の米国への輸出量減」「顧客の経済状況の悪化とそれに伴う受注量減少のリスク」など、間接的な影響についてのコメントがあった。
- 今後の事業計画や見通しの変化(自由回答):顧客の米国向け輸出減などに伴う売り上げの減少(間接的な影響)や米国の相互関税政策がスロバキア経済自体に悪影響を及ぼすことによる自社事業への影響についてのコメントがあった。
- 日本政府や関連機関に求める支援(複数回答):「関税措置に対する交渉」と「スロバキア政府との連携強化支援」がそれぞれ26%、「各種相談窓口の設置」が17%、「代替輸出入経路の確保に関する支援」が13%だった。「その他」(39%)では、「状況は依然として不透明で頻繁に変化しているため、状況の変化に応じて定期的にアンケート調査を実施することが有益」というコメントもあった。
なお、米国関税措置などに伴い、ジェトロは「米国関税措置等に伴う日本企業相談窓口」を米国、カナダ、メキシコ、中国をはじめとした全海外事務所、全国49カ所(大阪本部を含む)の国内事務所に設置している。
(宮川嵩浩)
(スロバキア、米国)
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