トランプ米政権、民間航空機・部品の輸入に対する232条調査を開始
(米国)
調査部米州課
2025年05月12日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は5月1日、1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づき、民間航空機・ジェットエンジンおよびそれら部品の輸入が米国の国家安全保障に及ぼす影響を判断するための調査を開始した。5月13日公示予定の官報案で明らかにした。BISは調査に関連する意見や情報について、6月3日までパブリックコメントを受け付ける(注1)。
232条は、特定製品の輸入が米国の国家安全保障に脅威を及ぼすと商務長官が判断した場合に、追加関税などの措置を発動する権限を大統領に認めている(注2)。第2次トランプ政権発足以降、232条に基づく新たな品目への調査開始は、銅、木材、半導体、医薬品、重要鉱物、中型・大型トラックに続いて7件目となる。これら品目に関してはまだ調査結果が出ておらず、具体的な輸入制限措置や対象となる品目の範囲がどうなるかは不明だ。一方、鉄鋼・アルミニウム製品は第1次トランプ政権から追加関税の対象となっており、第2次トランプ政権以降に発動対象となった自動車・同部品と併せて、いずれも25%の追加関税が課されるに至っている(注3)。
(注1)パブリックコメントは連邦政府ウェブサイトから提出可能。案件番号はBIS-2025-0027。
(注2)232条に基づく調査、報告、措置決定などの手続きの詳細は、2024年12月10日付地域・分析レポート参照。
(注3)トランプ政権による関税政策の全容については、「特集:米国関税措置への対応」を参照。
(磯部真一)
(米国)
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