大阪・関西万博ナショナルデーでタンザニア首相訪日、大阪でフォーラム開催
(日本、タンザニア)
大阪本部海外ビジネス推進課
2025年05月28日
在日タンザニア大使館は5月26日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)でナショナルデー開催に伴うマジャリワ・カシム・マジャリワ首相の訪日に合わせ、ジェトロと大阪商工会議所、国連工業機関(UNIDO)東京事務所と共催で、「タンザニアビジネス投資観光フォーラム」を大阪で開催した。
マジャリワ首相はあいさつで、タンザニアの強みと今後の経済発展戦略を力説した。まず、同国はインド洋に面しているため、主にアフリカ内陸国(注)からの貨物やビジネスの中継地となっており、この強みを強化すべく、鉄道や港湾インフラ整備などに力を入れていると説明した。また、国家経済の変革を目指して策定した「国家ビジョン2050」で、農業、漁業、食品、電力・再生可能エネルギー、ヘルスケア、バイオなどの分野の戦略目標を定め、最終的には、購買力平価(PPP)ベースの1人当たりGDPを4,000ドル台から8,000ドルまで引き上げるとした。日本との関係では、長きにわたる経済協力と直接投資によって、1,000人以上の雇用が生まれている点を指摘した。タンザニアには日本の技術を活用できるチャンスが数多くあるとし、引き続き日本からの投資に期待を示した。
スピーチするマジャリワ・カシム・マジャリワ首相(ジェトロ撮影)
藤井比早之外務副大臣は、タンザニアの人口が2050年には1億人を超えるとの予想に触れ、「資源があり、労働力が豊富なため、生産拠点にも販売先市場にもなり得るという3拍子そろった国だ」とした。また、同国をゲートウエーにして東アフリカ共同体(EAC)の関税同盟によって域内市場にアクセスできる点が魅力で、実際に進出日系企業はその恩恵を受けていると述べた。日本からは2025年1月にアフリカ貿易・投資促進官民合同ミッションをケニアとタンザニアに派遣し、マジャリワ首相との面談や現地日系スタートアップとの意見交換を実施したと振り返った。2024年6月にタンザニア投資センター(TIC)が東京で開催した投資セミナー(2024年6月4日記事参照)は6月にも予定されており、タンザニア政府は日本からの投資誘致にも積極的だとした上で、両国の経済交流の拡大には継続的にイベントを開催し、絆を強くしていくことが重要だと述べた。2025年はアフリカ開発会議(TICAD)もあり、外務省としても可能な限りサポートしていきたいと締めくくった。
セレマニ・サイディ・ジャフォ産業貿易相や、バラカ・ハラン・ルバンダ駐日タンザニア大使、三上陽一駐タンザニア大使らもあいさつした。また、両国企業・団体・官公庁・公的機関などの間で、エネルギー、医療、投資協力、学術・研究に関する6つの覚書(MOU)が締結された。
フォトセッションの様子(ジェトロ撮影)
(注)タンザニアは、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国(DRC)、ザンビア、マラウイといった内陸国と面している。
(齋藤寛)
(日本、タンザニア)
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