インドネシア中銀、日本向けの越境QR決済を8月17日から開始予定と発表

(インドネシア)

ジャカルタ発

2025年05月27日

インドネシア中央銀行(BI)のフィリアニンシ・ヘンダルタ副総裁は、2025年5月21日の金融政策決定後の記者会見で、2025年8月17日からインドネシアのQRコード決済規格「QRIS」を利用した日本向けの越境決済サービスを開始すると発表した。

本サービスは、2019年にインドネシアで導入されたQRコード決済の国内統一規格「QRIS」と、日本で経済産業省などが主導して普及を進めているQRコード決済の統一規格「JPQR」を接続して相互運用を図るものだ。両国の規格連携は、2022年12月にBIと経済産業省が東京で締結した協力覚書(MOC)に基づき(2022年12月9日付経済産業省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、技術協力と情報共有を通じて進められてきた。

また、BIは、日本以外にも複数国とのQRコード相互接続網の構築を進めている。ASEAN域内では、既にタイ、マレーシアやシンガポールで相互利用が可能なほか、フィリピンやベトナムなどとも連携に向けた調整を進めている。ASEAN域外では、日本のほか、中国の銀聯(UnionPay)との連携を2025年8月に試験開始予定で、インド・韓国・サウジアラビアなどとも交渉を進めるなど、国外とのキャッシュレス接続を加速している(「アンタラ」5月21日)。

BIによると、2025年第1四半期時点のQRIS利用者は5,630万人、取引額は約262兆ルピア(約2兆3,056億円、1ルピア=約0.0088円)に達した(「アンタラ」4月23日)。日本とのQRコード相互接続による日本国内のインバウンド消費拡大も期待される。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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