タイ商務省、バングラデシュとのFTA交渉開始へ

(タイ、バングラデシュ)

バンコク発

2025年05月22日

タイのピチャイ・ナリプタパン商務相は5月13日、バングラデシュのファイヤズ・ムルシド・カジ駐タイ大使と会談し、自由貿易協定(FTA)交渉に向けた協議を実施したと公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。両国はFTA交渉に向けた意向書(Letter of Intent)に署名を交わしており、今後、両政府高官で協議を進め、2025年内の正式な交渉開始を目指す。

タイ商務省は、2025年末にバングラデシュにおいて、第6回タイ・バングラデシュ合同貿易委員会(JTC)会議を開催することを提案したと明かした。JTC会議は、貿易・投資協力の方向性を確立する重要な場であり、同会議において、FTA交渉開始が発表される可能性がある。

またピチャイ商務相は、バングラデシュが2025~2026年にベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)の次期議長を務めることへの支持を表明した(現在の議長国はタイ)。同相は、2025年4月に承認された「第6回BIMSTECサミット宣言PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」に沿い、FTA交渉を加速させると述べた。このほか、タイのラノーン港とバングラデシュのチッタゴン港を結ぶBIMSTEC海上輸送協定を通じた物流協力を推進し、貿易促進とコスト削減を図るとしている。

商務省によると、バングラデシュはタイにとってインドに次ぐ南アジア第2の貿易相手国で、2024年の2国間貿易額は11億3,000万ドルに上る(タイからバングラデシュへの輸出は10億4,500万ドル、バングラデシュからの輸入は8,500万ドル)。タイからの主な輸出品にはセメントやプラスチックペレット、生地、合成繊維、化学品があり、主な輸入品は衣類、天然ガス、水産物、医療機器などが占める。

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、バングラデシュ)

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