ブラジルのスタートアップ・エコシステムが急成長
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年05月13日
現地紙「エスタード」(5月1日付)によると、ブラジル大手のイタウ銀行が運営するテック系スタートアップ向けコワーキングスペース「クーボ」(注)の入居企業全ての2024年の総売上高は、前年比40%増の約100億レアル(約2,500億円、1レアル=約25円)を記録した。
現時点で入居企業は500社以上に達している。その中でも、不動産取引に人工知能(AI)を導入するモラーダAI(前年比6倍の売上高)や自動車部品のオンライン販売を行うカーハブ(前年比6倍超の売上高)の成長が、特に顕著だった。
中南米のスタートアップ・エコシステムを専門とするコンサルティング企業スリングハブが2025年2月6日に発表した年次レポートによると、2024年のブラジルのスタートアップへの投資総額は前年比32%増の49億ドルとなり、2021年以来初のプラス成長を記録した。その理由として、ブラジルにおけるデジタル化の急速な浸透や、現地で開発された社会課題解決への需要増が挙げられている。
(注)クーボは、イタウ銀行(Itaú)とブラジルのベンチャーキャピタル企業のレッドポイント・イーベンチャーズ(Redpoint eVentures)が運営する南米最大のテック系スタートアップが集まる拠点として、2015年にサンパウロ市に開設された。大企業とスタートアップのビジネス創出上の連携を加速させることを目的とした非営利組織で、さまざまな分野のスタートアップに物理的なオフィス空間とITインフラを提供している。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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