タイのペートンタン首相、第46回ASEAN首脳会議に出席

(タイ、フィリピン、バーレーン、ASEAN)

バンコク発

2025年05月29日

タイのペートンタン・チナワット首相は5月26日、マレーシアの首都クアラルンプールを訪問し、第46回ASEAN首脳会議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに出席した。会議ではASEAN域内の貿易協力などについて議論が交わされた。

ぺートンタン首相は演説で「米国の相互関税の影響など国際貿易の不確実性が高まる中、ASEANは戦略を見直し、ASEAN共同体を強化する必要がある」と述べた。そのため、ASEAN域内の貿易協力促進、サプライチェーン強化、自由貿易協定(FTA)の最大限の活用、新たなFTA交渉の推進、中小零細企業(MSMEs)への支援の重要性について強調した。さらに、タイは2025年末までにデジタル経済枠組み協定(DEFA)の締結を加速させる方針を示した。

また、ASEANの人々の生活の質向上に当たり、健康、食料安全保障、サイバー犯罪や越境犯罪、麻薬問題、国境を越えた犯罪、自然災害への対応などを強化する必要性を指摘した。成長の原動力としては、国境を越えたインフラ接続の開発や観光振興の重要性も強調した。

ペートンタン首相は同日、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領と2国間会談を行った。両政府間によるコメ販売の可能性について協議したほか、農産物や消費財の輸出市場の開放、エネルギー安全保障、教育分野に関する2国間の覚書(MOU)の実施を促進することで合意した。これに加え、同首相はフィリピンの2026年ASEAN議長国としての役割について、全面的に支援する意向を表明した。

バーレーンのサルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子兼首相とも会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、タイ湾とアンダマン海を結ぶランドブリッジ構想(2024年3月5日記事参照)や、交通インフラの接続性向上、観光協力の強化について意見を交わした。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)

(タイ、フィリピン、バーレーン、ASEAN)

ビジネス短信 a0f58d149b029a49