米共和党支持者のウクライナへの共感は低下、米世論調査
(米国、ロシア、ウクライナ)
調査部米州課
2025年05月28日
ロシアとウクライナの停戦に向けた交渉問題は、ロシアが再びウクライナへの大規模攻撃を始めるなどして、停戦への糸口が見えない。最近の米国での世論調査では、共和党支持者のウクライナへの共感が低下していることが分かった。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは5月28日、ロシア・ウクライナ戦争などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、ロシア・ウクライナ戦争で「ロシアよりウクライナにより共感する」という割合は61%(2022年4月時点:73%)だった。支持政党別では共和党支持者が50%と低く、2022年4月時点(79%)から大きく低下した。民主党支持者では、2022年4月時点の84%から今回の80%と変化は小さかった。
ドナルド・トランプ大統領が共感するのは、ロシアとウクライナのどちらと思うかという問いでは、「ロシア」39%と、「ウクライナ」の15%を上回った。「どちらでもない」は26%、「分からない」は20%だった。
同戦争の結果として、ロシアがウクライナの領土のどの程度を支配することを予想するかとの問いには、「領土の一部」が39%と最も多かったが、望ましい結果としては「全く支配されない」が65%と過半だった。同世論調査でトランプ氏の支持率は44%と、前週(43%)より1ポイント上昇した。
ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが5月に実施した世論調査(注2)では、ロシアが交渉を拒否して流血を長引かせた場合、「ウクライナへの武器供与を継続する」が62%で、「ロシアの反感を恐れて武器供与を停止する」(38%)を上回った。また、ウクライナがロシアとの戦争を終わらせるために譲歩した場合、米国から直接、安全保障の確約を「受けるべき」が64%と、「受けるべきでない」(36%)を上回った。
(注1)実施時期は5月23~26日、対象者は全米の成人1,660人。
(注2)実施時期は5月14~15日、対象者は全米の登録有権者1,903人。
(松岡智恵子)
(米国、ロシア、ウクライナ)
ビジネス短信 82185ad4f73c4902