トランプ米政権、米投資誘致サミット開催、過去最大の5,500人超が参加

(米国)

ニューヨーク発

2025年05月23日

米国商務省は520日、首都ワシントン近郊のナショナル・ハーバーで51114日に開催した対米投資誘致イベント「セレクトUSA投資サミット」について、過去最大となる5,500人超が参加したと公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同省の発表によると、このサミットには100を超える国・地域の投資家や、54の州・米領の投資誘致機関、11人の州・準州知事などが参加し、会期中には約10億ドルの新規投資が発表された。同サミットは2013年以降ほぼ毎年開催しており、2025年で11回目を数える。ハワード・ラトニック商務長官は今回のサミットを総括したプレスリリースで、「われわれはかつて見たことがない外国直接投資の復活を目の当たりにしている。なぜなら、これは政権が米国のビジネスを第1に考えているためだ」と自賛しつつ、投資家に対して「米国に投資するなら今だ」と呼びかけた。

写真 ラトニック商務長官によるビデオメッセージ(ジェトロ撮影)

ラトニック商務長官によるビデオメッセージ(ジェトロ撮影)

サミット会期中には、各州政府による広報ブース展示、州知事や政府高官、企業経営者を招いたセミナー、各州・各国主催のレセプションなど、多数のイベントが開催された。アラスカ州のマイク・ダンリービー知事(共和党)、メリーランド州のウェス・ムーア知事(民主党)、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)、バージニア州のグレン・ヤンキン知事(共和党)が参加したパネル討論では、「米国の技術競争力」をテーマに、人工知能(AI)など技術の進歩がいかに海外からの投資を促し、米国の競争力を高め、国家安全保障を強化するかについて、党派を超えた議論が展開された。

ジェトロはサミット2日目の12日午後、参加日本企業と州政府誘致担当者とのネットワーキングを目的とした「ジャパンセッション」を主催した。同セッションの冒頭で参加者向けにあいさつした米商務省国際貿易局(ITA)のジェームス・ゴルセン次長は「日本は対米投資第1位のパートナーで、経済安全保障の促進を含め、米日関係の重要性は20252月の両国首脳会談で再確認された」との認識を述べた上で、日本からの対米投資のさらなる拡大に期待を示した。ネットワーキングでは、各州の商務長官や経済開発機関トップをはじめとする米側関係者161人、ジェトロが派遣した視察ミッション参加日本企業など日本側関係者43人、計204人の参加者間で活発な交流が行われた。

写真 ジェトロ主催のジャパンセッション(ジェトロ撮影)

ジェトロ主催のジャパンセッション(ジェトロ撮影)

サミット会期中には投資プロジェクトの発表も続いた。ブラジルの大手弾薬メーカーが3億ドルを投じた新拠点設立や、ハンガリーの医療企業が米市場正式参入を公表したほか、台湾の半導体シリコンウエハーメーカーのグローバルウエハーズ・アメリカのマーク・イングランド社長がパネル討論で、米国での投資額をさらに40億ドル拡大し、75億ドルにする意向を明らかにした。次回のサミットは2026年5月3~6日に今回と同じナショナル・ハーバーで開催される。

(米山洋)

(米国)

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