日ASEAN特別経済大臣会合、日本とASEANの経済連携強化を確認

(日本、ASEAN)

調査部アジア大洋州課

2025年05月22日

日ASEAN特別経済大臣会合が2025年5月20日、オンラインで開催された。日本からは武藤容治経済産業相が出席し、マレーシアのザフルル・アジズ投資貿易産業相とともに共同議長を務めた(5月20日経済産業省ニュースリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。カオ・キムホンASEAN事務総長も参加した(ASEAN事務局リリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

会合では、地政学的リスクやサプライチェーンの分断など、世界経済の不確実性が高まる中、ルールに基づく自由貿易体制の維持と強化の重要性があらためて確認された。武藤大臣は、日本として、今後の産業競争力の鍵となる人工知能(AI)や次世代自動車、脱炭素技術などの先端産業分野における協力を推進する意向を表明した。ASEAN各国からは、WTOを中核とした多国間貿易体制への支持が表明され、日ASEAN間の経済的連携の深化に対する期待が共有された。さらに、日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)の活用促進や、デジタル経済分野での協力、グリーン経済への移行支援などが議論され、今後の具体的な協力枠組みの構築に向けた意見交換が行われた。

会合後に発表された共同メディア声明PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、共通の課題に対処するために信頼と協力を強化する重要性が認識され、具体的な協力に向けた議論を深めるよう高級経済実務者に指示された。また、2025年秋に、第31回日ASEAN経済大臣会合を開催することも確認された。

(尾崎航)

(日本、ASEAN)

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