在シンガポール企業の約4割、既に米国関税措置の影響を実感

(シンガポール、中国、米国)

シンガポール発

2025年05月29日

シンガポール・ビジネス連盟(SBF)のアンケート調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます522日発表)によると、同国に拠点を置く外資を含む企業の38%が米国関税の影響を既に感じていると回答した。また、28%の企業が向こう13カ月以内、21%が向こう36カ月以内に米国関税措置の影響を受けるとの見通しを示した。

SBFは同調査を41123日に実施し、294社(うち14%が多国籍企業)から回答があった。回答企業の28%が「米国へ直接、販売・輸出」、9%が「仲介会社を通じて販売・輸出」、15%が「自社製品が米国向け製品の中間材」と答え、半数(52%)が米国と直接または間接取引があることが分かった。米国との取引があると回答した企業のうち、全売り上げに占める米国市場の売り上げが50%以上と答えた企業は18%、2550%未満が26%、25%未満が56%だった。米国関税措置による影響で、向こう612カ月以内に売り上げが25%以上減少するとした企業は74%に上った。

また、米国が中国に課した関税の間接的な影響を受ける企業は51%だった。28%が中国産製品を米国向けに販売しているほか、24%が中国に営業・製造拠点があり、8%が中国を通じて中間材を販売し、4%が中国の代理店経由で製品を販売していると答えた(複数回答)。

今後の対応策として、52%が「ビジネス戦略の転換の可能性を検討」と答え、51%が「価格戦略を調整する」とした。39%が「代替調達先の検討」、37%が「(米国市場以外の)市場の多角化」と答えた(複数回答)。市場の多角化先としては、79%が東南アジア、39%が欧州、38%が中東だった。

米国関税への対応プレーブック発表

SBFの貿易・投資の未来センター(CFOTI)は同日、企業の対応策を示した「米国関税措置を乗り越えるためのプレーブック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同プレーブックは、向こう3カ月、412カ月、13カ月以降と、企業がとるべき対応策を3段階に分けて示している。

(本田智津絵)

(シンガポール、中国、米国)

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