中銀が政策金利引き下げ、3.50%に

(チェコ)

プラハ発

2025年05月15日

チェコ国立銀行(中央銀行)は5月7日の定例金融政策会議で、5月9日付で政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.50%とすることを決定した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。中銀は同時に、ディスカウントレート(割引率)とロンバートレート(債券担保貸付金利)も0.25ポイントずつ引き下げ、それぞれ2.50%、4.50%とした。前々回の定例金融政策会議(2月6日開催)以来の引き下げとなる(2025年2月14日記事参照)。

今回の中銀の決定には、現在のインフレ率が中銀の目標インフレ率2.0%の実現に許容範囲にあるものの、サービス部門のインフレ率と賃金上昇率が高水準にあることや、不動産価格も大幅に上昇していることが影響している。これらは長期的な物価安定にとって不安要素と認識して、引き下げを決定し、下げ幅は0.25ポイントにとどめた。中銀は今後の金融政策でも、引き締めを維持する方針だ。今後の利下げペースに関しては、低インフレ環境の持続状況のほか、通貨チェコ・コルナの為替レートの推移、財政政策の経済への影響、労働市場の状況、内需・外需の動向、国外の主要中央銀行の動向、地政学的状況、米国と欧州間の貿易状況などを分析した上で決定するとしている。

中銀は同日公表した春季経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2025年のインフレ率を2月に発表した冬季経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2025年2月14日記事参照)の2.4%から2.5%に、2026年についても2.1%から2.2%に上方修正した。また、実質GDP成長率については、2025年は2.0%に据え置いたものの、2026年の予測は2.4%から2.1%に下方修正した。

一方、財務省が4月10日に発表した春季マクロ経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、インフレ率について2025年は2.4%、2026年は2.3%で、中銀の予測とほぼ一致している。実質GDP成長率については、2025年は2.0%で、中銀の予測と一致するが、2026年は2.4%と、中銀より楽観的な予測となっている。

(宮川嵩浩)

(チェコ)

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