日系初の米テキサス州半導体助成金、東京エレクトロンに決定

(米国)

ヒューストン発

2025年05月28日

米国テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は5月22日、同州の半導体支援助成金プログラム「Texas Semiconductor Innovation Fund(TSIF)」に、東京エレクトロンを選定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同州オースティンに所在する同社の技術訓練、研究・開発施設に対し、州から308万ドルを助成する。日系企業としてTSIFの助成を受けるのは、同社が初めてだ(2025年3月19日記事参照)。

同社は1972年に米国拠点を設立し、半導体製造装置の開発、製造、販売を手掛ける。装置の操作やメンテナンスに関する訓練も提供しており、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を使用した最先端の訓練法を用いて、毎年約2,200人の技術者を育成する。同訓練施設は研究・開発施設も兼ねており、半導体産業を支える次世代のソフトウエアとプロセス開発に取り組む。同施設は今後、3,000万ドル以上の資本投資を見込んでいる。

アボット知事は、同社の投資は、より多くのテキサス州民に、より良い水準の雇用を与えるものとして、歓迎した。米国東京エレクトロンの上級副社長兼最高財務責任者(CFO)兼ゼネラルマネジャーのリック・ターナー氏は「当社が30年以上も本拠地とするテキサス州で培ってきた研究開発に対する努力を高められる」と助成決定への謝意を述べた。

東京エレクトロンは米国に19カ所の拠点を有し、米国全体で約3,400人、オースティン拠点で600人以上の従業員を抱える。同社は2025年4月、同市内の移転した新拠点で開設式を行い、ジェーン・ネルソン州務長官や長沼善太郎・駐ヒューストン総領事、サムスン・オースティン・セミコンダクターのジョン・テイラー副社長、オースティン商工会議所のジェレミー・マーティン会頭らが出席した。

(キリアン知佳)

(米国)

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